第5話 孫の発達障害の相談に乗ってもらった件

 三女と孫は三歳児健診で、町の保健センターに出向いて健診を受けた際に、町から嘱託された小児専門の臨床心理士の方も来ておられて、孫に発達障害の可能性が高いという指摘を受けて、発達の状況と保育園や小学校への入園入学等に向けて、どの様に進めていたら良いかと言う事のアドバイスを貰ったり相談等をする為の相談会を2~3カ月の間隔で私も併せて3人で参加して、開催して頂ける事になりました。

当初、私はその様な相談会と言う事の認識が無いまま、また、孫に発達障害の気が有ると言う指摘を受けている事を知らないまま、三女に一緒に来て欲しいと言われ、ただ健診に一緒に行くだけのつもりで運転手兼、付き添いのつもりで行きました。

「町の小児専門の嘱託臨床心理士です。宜しくお願い致します。今日はおばあ様もご一緒ですね。先回3歳児検診の際に指摘させて頂いた、お子様は発達障害の可能性が高いという事で、今現在、どの程度の発達具合であるかの確認とお母様やご家族のお子様に対する発達具合の認識等の確認をさせて頂く事と相談事にお答えする為にお来し頂きました。」と言う説明を受けた時私は、

「発達障害ですか?どの様な事でしょうか?」と、聞き直しました。

「一般的に、自閉症と言われる情緒に障害を抱える発達障害と、知能に障害を抱える発達障害が有ります。お孫さんの場合は、自閉症の特徴は無い様なので知能に障害が有る可能性が有る様に思います。同じ月齢のお子様よりも言葉の発達や物や事柄の認知度合いが低いと思われます。」と言われて私は、

「そうですか。今まで同じ位の年齢の子供さんと一緒に遊ぶ事が殆ど無くて、大人の中だけで、あまり話さなくてもこちらが察して、この子の為にしてあげてきた事が、かえって知能の発達に良くなかったのかも知れませんね。」

「こうした、知能などに発達障害を抱えている可能性が高いお子さんの場合、出来るだけ早く他のお子さんとの交流を持てる保育園等に行かせて、刺激を与える事が重要ですよ。」との事でしたので、

「そうなんですね!今まで、そうした認識が全く無かったので、年少からでも時期的に入園可能ならさせたいですが。」と、私が返事をすると、

「そうですね。可能ならそれをお勧めします。」と同意をして頂きました。

その日は、小児健診等で何かしらの異常がみられたお子さんと親御さんが他にもいらしていて、保健師さんや臨床心理士さんが対応されていました。

三女が、孫と他の保健師さんと絵本やおもちゃなどで遊んでいる時に、少し離れた所で、三女には聞こえない距離を保って、私は担当して下さった臨床心理士の方に三女の現状を話しました。

シングルマザーで子供の父親は妊娠初期から音信不通で、それも起因して精神的に非常に不安定で一度は身体的な痛みなどの症状が現れて心療内科を受診したけれども痛み等の症状が無くなると通院を止めてしまって、精神不安定は酷くなり、家族が家事や一般的な事をする様に言うだけでも、自分の出来ない事を無理やりさせようとすると言って暴れて、私だけに暴力を振るう事。三女が、家族とのいざこざで自分が被害を被っていると言って、警察署に相談したことに依って、警察の相談係の方から確認の電話を貰った時に三女の精神不安定の事をお話しさせて頂いたら、保健所の相談員の方を紹介して下さり、定期的に相談員の方にお話を聞いて頂いている事を話して、現状を認識して頂きました。その上で、有難い事に臨床心理士の方にも孫の事で定期的に相談に乗って頂ける事になりました。

 相談をさせて頂いていて、一番臨床心理士の方も私も困った事は、三女が孫の保育園に入園させるのを頑固として嫌がった事です。相談会の時に臨床心理士の方が、

「お母さん、何故お子さんを保育園に入園させる事を嫌がるんですか?」と、聞いた時に、三女は、

「私が保育園から中学校まで嫌いで行きたくなかったから。だから、あまり子供にも保育園は行かせたくない。高校は面白かったけれど。」と言いました。

「お子さんは、発達障害の可能性が高いのですし、小学校は義務教育で通わせなくてはいけませんが、いきなり小学校から他の子供さんと一緒に生活や勉強をする事は、お子さんの負担にしかなりませんよ。出来るだけ早く他のお子さんとの触れ合いの中から刺激を受けたり、コミュニケーションをとる事を体験させた方が良いですよ!」と説得して下さったのですが、三女は、

「何と言われても、年少、年中からは入れません!しかし、年長からは必ず入園させます。」

と、三女は、相談会で度々、保育園への入園を薦められて、この様に宣言をしました。

私は、三女は自分が美容師の専門学校を卒業する時に資格試験を受けて合格し、就職もして、親権者としての責任が果たせる様になるのが、孫が年長で保育園に入園する年度だから、この様に宣言をしたのだと後に思いました。

何故かと言うと、三女は、非常に情緒不安定で仕事も普通に続けて行く事も出来ないですし、子育てにも積極的には参加もしません。家事もしません。子育ても家事も私達同居家族でしています。一般的な母親の子育て家事を少しでもする様に言ったり、雰囲気で求めたりすると、

「出来ない事を、無理やりさせようとする!早く死ねば良いと思っているんだろ!!!」

と、荒れに荒れて暴言暴力...の流れになっていきます。

この流れが、もっと荒れると警察署に電話して家族から自分への虐待の被害を訴える、近くの派出所に駆け込み泣いて相談という事になっていきます。

が、しかし、取り敢えずスナックなり、昼の仕事なりでクビになったり、嫌になって辞めたりという事も有りつつも何かしらの仕事をしてきました。そして、専門学校の授業料等を私達に出させている事と、子供に関するお金を出させている事への申し訳なさも感じていた様に思います。専門学校の3年生になる頃(2019年5月頃)からスナックなどで働いた給料の中から月初めに僅かではありますが、子供に掛かるお金をっ出すという名目で最初の内は私にくれていました。後にある事(2020年9月頃)からお金を渡す相手は主人に代わっていきますが、あと少ししたら美容師になって子供の親としての金銭的な役目を果たせる様になるという気持ちからの行動だったと思います。

それを踏まえて、美容師になって親としての責任を果たせるという思いから、子供をを年長から必ず保育園に入れますと宣言したのだと思いました。

親としての自信を持ちたかったのでしょう。

が、しかし、そう上手くは行きませんでした。

保健センターでの臨床心理士の方との相談会は孫が完全に保育園に年長から入れる事になる令和3年3月(2021年)まで続きます。

令和2年2月(2020年)に三女は美容師の国家試験を受けましたが、不合格。

3月に専門学校を卒業。

5月にもう一度美容師の試験を受ける事が出来て受けましたが、不合格。

10月に孫の保育園に入園させる為の手続きに入る事になりました。

ここからが、本当に大変でした。

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