第4話 警察から保健所の相談室を紹介された件

三女がレストランで働いていた頃にストレスが溜まり、主人の母親との間でイザコザが非常に増えて、元々、主人の母親は昔気質な部分が多く、

「目上の人に口答えをするな!」「家業も家事もしなさい」

が、当然であると言う考えで、三女はその様な事よりも自分の強いストレスから来る言い様の無い辛さと、自分に対する他の人達からの疎外感から、

「これをするのが当然だ!」「こんな事も出来ないのか!」「母親としてこうしろ!」

と言われる事に異常に反応して、出来ない事を無理やりやらせようとすると思い込み大喧嘩になった事が有り、三女は平成30年5月(2018年)頃警察署に電話をして自分が家族に酷い事を言われ物凄く虐げられているので、何とかして欲しいと訴えたのです。その際、110番に最初電話をしたみたいで、

「こちらの電話番号は相談事を聞く番号では無いので相談窓口が有るから、そちらに電話をして欲しい。」と言われて相談窓口に電話をしたみたいです。その日の内に警察の相談室から私の携帯電話に連絡が入り、担当の相談員の方から、

「娘さんからお電話を頂いて、お婆さんから酷い事を言われて家に居ても辛いとの事ですが、どういう状態ですか?」

との問いに、私は、三女が精神的に非常に調子が悪い事と、主人の母親が三女の精神状態に対する認識があまり無くて、自分の考えに迎合しない事への不満の方が強くて、自分が言った事に対して、三女が全部、文句を返してくる事が気に入らなくて大喧嘩になってしまった事を伝えると、

「なるほど。話の途中で泣き出したり、ちょっと変だなと思いました。娘さんが自分の精神状態が悪い事について認めていないのでしたら、保健所に精神的に調子の悪い方のご家族が相談できる相談室が有りますので、1度ご相談してみては如何でしょうか」

と、ご親切に教えて下さり、娘には内緒で、保健所の相談室に電話をしてみて保健所に行って相談する事にしました。

相談員の方とお会いする当日、約束の時間前に保健所に到着し建物の中へ入り受付をして暫くすると、眼鏡を掛けた多分30台中頃の体格の良い大柄で温和そうな男性が相談室まで案内して下さり、そのまま雑談から現在の三女の状況とかここに至るまでの過程と家族との関係をお話しさせて頂きました。

最初の相談は、多分想定されていた1時間を随分とオバーしたのではないかと思います。ご迷惑をお掛けしたかと思いますが、次回から私達が住まっている町の保健センターまで出向いて頂けるという事になって、こちらとしては大変相談しやすくなって有難かったです。

1ヶ月~3カ月の幅で相談会を保健センターにて開いて頂き、大体はこちらからの話を聞いて頂く事がメインでしたが、途中で一度だけ、私が保健所へ出向いて、相談時間はきっちりと何時から何時までと決まっていて、私達の様な、家族の中に精神疾患を患う人が居る世帯の方々がそれぞれの相談時間を割り振られていて、その時間内での精神科医に相談出来ると言う相談会を催して下さいました。お医者様から、

「娘さんは、心療内科で受診した事が有るという事でしたが、どんな病名でしたか?」と、質問されましたが、私は、

「はっきりとした病名が付く前に、行かなくなってしまったので、こういう病名ですという事は言われていません。」と、返答をしました。

「そうですか、普通症状などを点数化して病名ははっきりと出るものですけれどね。個人的に能力が低いだけなのか、精神疾患に依ってもたらされた症状なのかが分かりませんので、やはり精神科なり心療内科なりで診察をきちんと受けられた方が良いですね。」と言われましたが、

「その様な事は重々分かっておりますが、診て頂くにしても本人が受診を承諾しないと始まりません。先回の受診も身体に痛みや過呼吸等の症状が出て、自身が辛くて受診を承諾をしたので有って、今、その様な症状が無いので、受診を承諾するとは思えません。」と、言いましたら、

「娘さんの相談は、やはり受診してもらう事を最優先で考えて頂くしかありませんね。」との事でした。

「娘に今、精神的に調子が悪いという自覚が有るのか無いのか分かりませんが、自分が精神的な病気であったとしても、それを他人に知られる事を異常に嫌がる傾向にあると思っています。それは痛みなどの症状が有って最初に受診した際にも、いざ病院での受付さえ嫌がって受診を諦めかけたくらいです。痛み等の症状が無い今は、受診を承諾するとは思われませんので、娘の事については、受診を承諾すると思われる時期が来ましたら受診をさせます。」と、娘については、一旦締めくくりました。

「他にご質問は有りますか?」と聞かれましたので、

「娘の事ではなく、娘の子供の事でお聞きしたい事が有るのですが、保険センターで子供達の乳幼児健診が有るのですが、その際、町に嘱託された小児専門の臨床心理士の方がいらっしゃって、娘の子供に発達障害の傾向が有るので、数カ月間隔で発達具合や、保育所や小学校への対応等のご相談に乗って頂ける事になり、その都度相談日を決めて、保健センターで相談に乗って頂いているのですが、平成30年12月(2018年)からは、私も一緒に娘と孫と3人で相談に伺っております。現在どの位のレベルの障害が有るのか、保育園や小学校での対応をどの様にしていったら良いのかを私としては知りたいのですが、どの様にしたら良いでしょうか」と相談をしましたら、

「娘さんが最初に受診した心療内科医院は、規模が大きくて、小児の発達障害の専門医もいらっしゃるので、そちらで一度、受診してご相談されたら如何でしょうか」と、ご返答を頂き、大きな精神病院で孫の相談をする事にしました。

「そうですか、ありがとうございます。その様にしていきたいと思います。本日は相談に乗って頂きありがとうございました。」と挨拶をして、保健所の相談員の方と、

精神科医との相談会は終わりました。帰り際に保健所の相談員の方と次回の相談会の日時を決めて帰路につこうとして車の中に居た私の携帯電話に保健所の相談員の方から電話が入り、

「先程お約束した相談会の日にちを変更して頂きたいのですが。都合が入っているのを確認しましたので、すみませんが〇月◎日では如何でしょうか?」とのことでした。

「先程は、大変ありがとうございました。〇月◎日ですね11時で良いですか?」と確認すると、

「はい。すみませんが宜しくお願いします。」との事でした。

「はい。分かりました。こちらこそ宜しく願い致します。では、失礼します。」

こんな、やり取りでこの日は帰りました。これが、最期の相談会になるとは...。

〇月◎日11時少し前に、町の保健センター到着しました。11時を過ぎても保健センターの相談員は現れませんでした。遅くてもいつもなら11時ちょっと過ぎには保健センターに来てくれたのですが、20分程待っても来られなかったので、保健センターの職員の方に保健所に電話をして頂いたのですが、

「今日はそちらに行く事は出来ないので、△月◎日はどうでしょうか?」との事でした。

「今日は来られないのですね?分かりました。では、△月◎日の11時でお願い致します。」と、お答えしました。

「急に行く事が出来なくなりすみませんでした。」と、お詫びを頂きました。

「いえ、では次回にお願い致します。失礼いたします。」と、電話越しの会話で終わりました。

△月◎日11時前に私は保健センターに到着。ですが、今回は前回にも増して、凄い事になってしまいました。

今回も、何分待っても相談員の方は保健センターには来ませんでした。そこで、前回同様、保健所に保健センターの職員の方に電話をして頂いて、保健所の方と保健センターの職員の方とのやり取りが中々終わらず、どうしたのかと思っていたら、保健センターの職員の方から、耳を疑う事を聞きました。

「実は、今、保健所の相談員の方の上司の方とお話をしていたのですが、ここの所、相談員の方が保健所に何日も来ていないそうです。連絡をしても来てくれないそうで、こうした相談の約束に沿える状況ではないそうです。この上司の方が一度お話をしたいそうですが、良いでしょうか?」と、変な方向に話が曲がっていくのでした。

「そうですか。分かりました。では、電話で話せば良いですか?」と、保健センターの職員の方に電話まで案内して頂いて、保健所の相談員の上司の方とお話をさせて頂きました。

保健センターの職員の方が、もう一度、保健所の相談員の上司の方に電話をして、私に受話器を渡しました。そして、上司の方が言うには、

「この度は、大変ご迷惑をお掛け致しまして申し訳ございませんでした。今、あなた様の担当の相談員が、何日も保健所に出て来ておらず、こちらも大変に困っておりて、そちらが、ご希望でしたら、私で宜しかったらご相談に乗りますのが如何でしょうか?私は、前任相談員の様にそちらに出向いて、ご相談にのる事は出来ませんので、ご足労をお掛け致しますが、保健所まで来て頂ければ、ご相談にのらさせて頂きますが、どう致しましょうか?ご返答を頂きましたら、こちらもその様にさせて頂きますが。」と言われてしまいました。そこで私は、

「急な事で、こちらもビックリしていますが、何かしらの原因で、相談員の方も出てくることが出来なくて、苦しんでいらっしゃるのかと思いますし、これまで色々とお話を聞いて頂いて、辛い気持ちを理解して頂けただけでも気持ちが軽なったし、和らぐという事も有りましたので大変に有難かったです。しかし、娘の精神的な病気等はこうすればちゃんと治ると言う答えとしては、娘自身が自分の精神状態が悪い事を自覚して、自分から精神科なり心療内科なりに行って受診して、治療をしなくてはいけないという事がはっきりしましたし、今の所それは難しい事も解っておりますので、相談員の方との相談会は今回で終わりにさせて頂きたいと思います。相談に乗りますと言う名乗りを上げて頂いて有難いのですが、これで終了という事でお願い致します。本当にありがとうございました。」と、返事をさせて頂きました。

少々呆気にとられる終わり方でしたが、令和元年9月(2019年)に保健所の相談員への相談は終わりました。昔から言われている様に、精神科医は、患者のネガティブな話しを常々聞いているから、だんだんと自分の精神状態も悪くなる事が有るそうですが、勿論、精神科医でも無いですが、相談員という事で、ネガティブ話ばかりを聞くと言う事は同じなので、保健所へ出勤しない事がそれに類似しているのかは分かりませんが、無い事は無いかも知れません。

 先程、少し書きましたが、孫については、町の嘱託臨床心理士の方に孫に発達障害の可能性が有るという事を教えて頂いて、以後相談に乗って頂いておりました。



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