バーソロミュー
社名の由来を巡って案の定、憶測と批判でネットが炎上した。喜望峰発見者の名前に肖るなんて陳腐だという意見が圧倒的だ。そこから大した事がないという風評が生まれた。「いいの?」と妹が憂うが姉は毅然とした。一切反論するな。燃料にされるというのだ。
「バーソロミューは最後の晩餐にも描かれるイエスの十二使徒よ。友人がイエスと遭ったと自慢するので彼は心配したの。こんな田舎に布教にくるだろうかと。するとイエスが現れたの。そして、バーソロミューの純真を称えてこういった。貴方こそ真のイスラエル人、この人には偽りがない、と。褒められたバーソロミューは感動して仲間になったの。言いたいことはわかるよね?」
妹は頷くと夏色の風に髪を梳かし、新社屋へ向かった。
文責・著述 代美@バーソロミュー
バーソロミュー~星降る倍角の出版社創業物語 水原麻以 @maimizuhara
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます