一旦の騒動の落ち着きとこれから
"ガチャッ"
「ただいまー。」
僕は家の扉を開けてそう言った。勿論真莉さんも一緒だ。今もこうやって手を、、、
「あのー真莉さん、手、離しませんか?多分お母さんいると思うので、、、」
僕がそう言い、真莉さんが「そうね。今は許してあげるわ。」と言った時、見計らったかのではないかというようなタイミングでお母さんが
「お帰りなさい、優ちゃん。学校のことと引退するってことは聞いてるわ。きっとまた誰かが優ちゃんに嫌がることしたんでしょ!!優ちゃん教えなさい!お母さんが何とかしてあげるわ!!それに、、、、」
と言い、一人話し出した。僕はあははと苦笑しながら横にいる真莉さんを見ると、真莉さんは「ほらね、君の居場所はこんな近くにあるよ。」と呟いていた。
「、、、、、に決まっているのよ。ってあら、優ちゃんのマネージャーさん。ごめんなさい、私としてもまだ優ちゃんの小説は読みたかったけど、仕方ないんです。分かって下さい。、、、」
と、やっとお母さんは真莉さんに気がついてそう言った。
それにしてもお母さんも僕の小説を好きで読んでいてくれたんだな。勿論家族みんなで応援していてくれたのは知っているけど、、、けどだからこそ、そういうことはお母さんに言わせてはいけないなと今改めて思った。
「いや、優馬君のお母様。結論から言わせて下さい。優馬君は引退しません。先程優馬君とも話し合って、、、」
真莉さんがそういい、事情を説明しはじめる。勿論、僕が振られたとかいうことは伏せてもらったがな。
「、、、、ということが今回のことの全てです。優馬君も続けてくれたいと言ってくれたので、これからも続けていけますよ。」
真莉さんの説明が終わる。するとお母さんはとても不安そうな顔になっていた。
「どうしたのお母さん?」
「ううん、何でもない。ただ、優ちゃん無理してないかなって思って。それに出版社さんもまだ優ちゃんを載せてくれるんですか?」
やっぱりお母さんは僕のことを心配してくれているんだな。だから僕は今度は自分の口からちゃんと言うことにした。
「うん僕は大丈夫だよ。それに、出版どうこうのことはもう編集長さんと話してきたから。あと、これからは苦しくても真莉さんや家族に頼るからさ、これからもよろしくねお母さん。」
「そう、、、そうなのね。、、、良かったわ。マネージャーさん、ありがとうございます。これからも優ちゃんをお願いします。」
そうして話が終わったので、ここで真莉さんは帰ることとなり、僕は真莉さんを駅に送って行くことになった。
まぁお母さんは真莉さんを家にあげようとしていたが、、、そう言えばお母さんが真莉さんと僕のことをチラチラと交互に見てきたのは何でなのだろうか?
***
僕は今真莉さんを、最寄駅まで送っている。だから、当たり前だが隣には真莉さんがいる。そしてその真莉さんは当然のように僕の手を繋ぎながら隣で「気づかれちゃったかな?」と呟いている。一体何のことなのだろうか?
まぁそれはさておき、取り敢えず今日のことのお礼を言わないとな。今日はいつも以上にお世話になった。出版社のことや、僕の発言のこと、それからメンタルのことまで。
「真莉さん、今日は本当にありがとうございました。真莉さんのお陰で本当に良い方向に進めそうです。」
僕は思ったことを口に出し素直に感謝する。
「ううん、こちらこそ続けてくれて良かったよ。君は辞めるべきじゃない、君にはそれだけの心と技術がある。だからさっきも言ったけど、私を頼ってね。せっかくこんな美人な彼女ができたんだから。」
「え、えっ、あ、はい。ありがとうございます。」
真莉さんはそういうと「もうここまででいいよ。ありがとう。それじゃあまた原稿の締め切り日で。」と言って走って行った。
僕はそれを見送ると生きてて初めてと言えるほど幸せな気持ちになりながら原稿を書こうと思った。
それ僕です〜最近話題の大人気小説家、脚本家。学校でいじめられ、好きな人にも振られたけど、僕は僕の人生を謳歌します〜 @A-1407
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