最終話:女心と秋の処女。理屈じゃないんだ、理屈じゃッ!。

マヌケだなあ、私。

なんで新井渉なんかにこだわってたんだろう。

結論は初めっから出てたんだ!。

バッカみたい!。

私は翌日、新宿の新井渉のもとへと向かった。そして別れを告げた。

「悪いけどアンタとは寝ない」

「そ、そんなあああああ……」

新井渉は泣いて理由を求める。

「ごめん、それだけ」

すまん、解からん。

理屈じゃないんだ。

説明すべきものじゃない。

すがりついて泣きわめく新井渉。

みっともねえなあ……。

もう、速攻フッてやる。

「じゃあ、バイバーイ」

構わずバスに乗った。

どんどん新井渉が遠ざかっていく。

私は振り向かない。

新井渉はいつまでも恨めしそうに物欲しそうに私を見てるんだろう。

ゴメンねえええッあばよおおおお。

どんどん遠ざかっていく。

そして進んで進んでやがて曲がり角を曲がった。

もう振り返っても見えない。


私は急いで学校へ向かった。

私は父を愛している。

そして母を軽蔑している。

そして新井渉をマヌケだと思っている。

ああ、セックスがしたいッ。

オチンチンがナメたいッ。

そしてそいつを私のアソコにぶち込みたい!。


すすけた鉄筋コンクリート。

夕暮れの赤い校舎。

まだ居るかな?。

居た!。

永山先輩が一人プールを掃除していた。

「先輩ッ!」

私はハアハア言って永山先輩のもとへ飛び込む!。

永山先輩は慌てる私を優しく笑う。

「どうしたの?。もう誰も居ないよ?」

「先輩を探してたんです」

「俺?。どうしたの?」

「ねえ、先輩、今、付き合ってる人、いるんですか?」

「ええッ……?。いきなりだなあ、ハハ」

「いませんか?」

「ええッ?」

「答えてほしいんです。私、先輩のこともっと知りたくて……」

「俺のことなんか知ってどうするの?」

「私のことも知ってほしい」

「なんで?」

「好きだから」

「………………………………………………」

「……」

「………………………………………………」

「ねえ、先輩。私の処女、もらって下さいッ」

「ええんッ!?」

「ダメですか?」

「何言ってんの?」

「私じゃダメですか?」

「いきなり言われても……。俺も準備っていうか、そういう考え無かったから」

「でも、全然知らない仲ってことでもないでしょ?」

「うん、まあ。でも、君、新井とかいうヤツと付き合ってなかったっけ?」

「上手くいかなかったんです」

「だからって俺と?」

「ううん。ずっと先輩が気になってたんです。本当です。ウソじゃないです。だからジャージ貸したときからちょこちょこ喋ってたでしょ?。私、先輩のこと好きだったこと、気付きませんでした?」

「うーん……気付いたような、気付かなかったような……。分かんないなあ……。新井と付き合ってたような気がしてたから」

「実は好きだったんですよ?。気にはなってたはずです」

「ああ、気にはなっていたね。よく練習見にきてたし。大会にも来ていたし。ジュースなんかもおごってくれたな、そう言えば」

「好きでしたもん」

「あ、そう」

「そうですよ」

「そっか……。じゃあ、悪かったなあ……。あまりそういうのうといから。練習ばっかだったし……。必死だったから」

「そこにかれたんです。先輩が好きだから見てたし、先輩が好きだから近付きたかったし、先輩が好きだから都大会も応援しに行ったんですよ?。私の気持ち、解かりません?」

「解かるよ。解かるけど、でも、いきなりだなあ……」

「でも、告白ってそうじゃない?」

「うん、まあ……そうだね……」

「私、先輩に処女もらってほしい。先輩で初エッチしたい。私のこと嫌いですか?」

「そんなことないよ」

「だったらッ……」

「いや、でも……」

「でも?」

「その……」

「その?」

「んんん……」

「んんん?」

「つまり……」

「うん」

「俺、彼女いるんだ、ハハハ」

「アハッ。いいじゃないですか」

「えッ、なにそれ?」

「彼女がいた方が面白くありません?」

「面白い……?」

「秘密だからいいんでしょッ?」

「そうなの?」

「秘密だから気持ちいいんですよ」

「ムムッ」

「ね?」

「気持ちいいねえ……」

「最高だと思いません?」

「……」

「……」

「ムフフ、そりゃそうだな」

「ねッ?」

先輩がニヤっと笑った。

チクショウッ、この言葉を待ってたんだ!。

「お前、悪い奴だなあ」

「悪いから気持ちいいんですよ、きっと」

「そうかもな」

「そうですよッ!」

「よし、じゃあ、更衣室、行こう」

「はいッ、エヘヘ」

「なんか慣れないなあ、こういうの」

「それは一緒ッ」

「ハハハッ」

永山先輩は私の手を強く握り、私を更衣室へ連れていく。

胸が破裂しそうなくらいバクバク鳴っている!。

そんな私に永山先輩はあきれて言う。

「でも、お前、よくこんなこと思いつくなあ」

「思いつきじゃないですよ」

「いや、大胆だよ」

「考えたんですよ、私なりに」

「へえ」

「けっこう」

「ほんと?」

「長すぎるくらい」

「どれくらい?」

「7か月、へへ」

(完)

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超美少女高校生が処女卒業に7ヶ月って@めんどくせえ女、私って。 武田優菜 @deadpan

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