第6話 セレーネとの共感

聡「合流はフェアリーの地域でって、やっぱりシェリナさんの所に降り立った方が良かったかな?」


シェリナ「あの状況でしたら私も小蔭ちゃんに味方した筈ですし、セイレーンの民意を考えると杞憂と言う事も有るのですが……」


 他国の少女の事も心配してか、そこから先を濁しつつ彼女らしい瞳をしたであろうシェリナさん。


聡「状況は芳しくないと言う事だね」


マリアンナ「シェリナ様……」


聡「この世界には良い人が多いし今は丁度プレシアの御城に居る所だから、シェリナさんも安心して待っていてよ」


シェリナ「それでは、地図上での左下からフェアリーの森林を目指すと良いですね。

 聡様、再会を楽しみにしております」


聡「こちらこそ。 もう少し話していたいけれど上側の森林は割と近いし、またね」


シェリナ「はい。 それでは」



サニア「どうやら聡お兄ちゃんの方が難しい立場に有るみたいだし、シャンナも付いて行ってあげると良いわね」


シャンナ「サニア様、良いのですか?」


サニア「そんなに目を輝かせて言われたら引き留める理由もないし、私だって好きな人と一緒に居られない悲しみは分かっているつもりよ」


ロリポップ「サニアちゃんは、コーティスお姉ちゃんみたいに大人びているのね♪」


聡「確かに、この国の中では小さくても恋愛観は大人の女性だよね。

 僕等の世界では、サニアちゃんみたいな子は20歳と言っても信じて貰えるし」


 日本にも小柄で44kg位のお姉さんって居るからね。


ツリピフェラ「向こうの世界では、その年からが大人なの」


サニア「もう、お兄ちゃんたら……でも、冗談でも嬉しいわよ♪」



マリアンナ「サニア様、良かったですね!

 それでは、ここは私達に任せて安心して待っていて下さいね♪」


サニア「そうさせて貰うわね。

 それでも……お兄ちゃんも言っていた言葉だと思うと、何だかドキドキして来た」


 恥ずかしそうに流し目をして、真っ赤になって俯いたサニアちゃん。

 あの時の小蔭ちゃんの心境を理解したくて読んだ少女漫画でも見た事が有る表現だけれど、実際に見てみると文字通りにはっとする程可愛いな。


マリアンナ「(小声)好きになっちゃいましたか♪」


 えっ!


シャンナ「(小声)あの位の年から恋をしている女の子は飛び切りの美人に育ちますから、私達も負けない様に努力致しますね」


聡「そうだね。 二人共、ありがとう」


サニア「シャンナ……ありがとね。

 それじゃあ、お互いに頑張りましょう」


聡「そうだね。 それじゃあサニアちゃん、行って来ます」


ロリポップ「行ってきまーす!」


 傍から見ても僕等があの時の事を思い返しながら手を振り合った事は想像に難くないとしても、風珠の上から手を振る二人の片方に小型種らしい意外性を感じたのは僕だけではないだろう。



 その1時間半程後。

 僕等は樽型で知られるソテツとパイナップルを足し合わせた様な裸子なのか単為の被子なのか良く分からない異世界らしい植物や、4m程にまで背を低くしたイトスギの様な低木が目立つ可愛らしい森林に到着した。


 その道には異世界の割に生態系が似ていると言う話も有るけれど、重力定数が現世と同じでなければ海や太陽は存在できないと言った科学考察も有るし、これはこれで一つの形だろう。


 勿論、人体では感じ取れない程の微小な差異が別の世界を作る可能性も有るけれどそんな事よりシェリナさんはと思っていると、木陰に隠れていたフェアリー属らしき女の子の手を引いて出て来てくれた。


 と言うのも、この子は白ピンクにしたサニアちゃん位の見た目をしているからだ。


シェリナ「ラフィールさん、そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ。

 御主人様は小さい頃に小蔭ちゃんを助けているのですから」


ラフィール「そうだけれど、パパとママは向こうを怖がっていたの」


聡「武装応用と言う言葉が有る時点でこれについては小型種の宿命だと思うから、シェリナさんも気負わないでね。 でも……僕等の世界には魔法は無いから、見知らぬ中型種と怖がらなくても大丈夫だからね」



ラフィール「そうなの!? それなら安心なの♪」


 言葉通りに、きゅーって可愛らしく抱き着いてくれたラフィールちゃん。


シェリナ「クスクス……やっぱり御主人様は私が期待していた通りの聡様ですね♪」


マリアンナ「本当に、その通りですね♪」


 ラフィちゃんに抱き着かれて体軸が反れた時にツリピフェラちゃんが小首を傾げていたのが見えた気がするけれど、草本の女の子も風珠を見た時は怖がっていたよね。


シェリナ「あの時のままの聡様で居て下さって安心しましたが、込み入った御話にもなり得るので風珠の中に入れて頂けませんか?」


聡「勿論。 それじゃあ、東洋怪異だけの視察団と思われない様に、マリアンナさんとロリポップちゃんに外側に座っていて貰おうかな」


マリアンナ&ロリポップ「それが良いですね&はーいなの♪」



シャンナ「私達のせいでシェリナ様が心を痛めていると思うと申し訳無く思いますがサニア様にも先代への敬意が有りますし」


シェリナ「直接国を動かせない貴女が気負う事でもありませんが、貴女もアクアさんの様に良くできた御方なのですね♪」


ツリピフェラ「自国のメイドにその様に言う時期姫君も居るのね」


聡「チューリップちゃん達の場合は、信頼がもっと直接的な形で表れているだけだと思うよ」


シャンナ「その光景が浮かびますね♪」


ツリピフェラ「振り返ってみると、その通りなの」



シェリナ「それでは本題に入りますが、まずはフェアリーの森林を通る事にした理由から話しましょう」


聡「向こうの常識で考えると、これは隠密行動だよね」


シェリナ「その通りで御座います」


ツリピフェラ「情勢を考えると、国防意識なの?」


シェリナ「貴方方が御相手だと話す事が無くなってしまいますね。

 この分だと予想もできているとは思いますが、現在御母様は何か有った時のためにセイレーンの弱さを知りながらも国防を固めているので、小蔭ちゃんとの縁で借りられている筈の風珠にはとても敏感なのです」


聡「僕等の世界にはペンは剣よりも強しと言う言葉が有る様に、こう言う時こそ外交意識が光る気もするけれど、こちらの世界にはこちらの世界の民意も有るよね」



シェリナ「もしかしたら、それを御母様に伝えれば考えを改めて頂けるかも知れませんね。 ですが……前々から思っていた事ですが、聡様は貴族の出身なのですか?」


シャンナ「確かにこちらの世界では皆さんが知っている小蔭ちゃんを助けた時の御話と言い、貴方の行動には高貴なる者の務めを感じる部分が多いですからね」


聡「そう言って貰えるのは本当に嬉しいけれど、僕は向こうの世界では一番将来に不安を感じる時期の大学二年生だよ」


シェリナ「そんな風には見えませんが……」


ツリピフェラ「それなら、こちらの世界に住めばいいの」


聡「そうさせて貰う事は、ロリポップちゃんの動き方や人口比からこちらの世界では一夫多妻が普通な事を知った上でコーティス様に一目惚れした時から決めていた事だけれど、向こうの人達も寄せ書きとかを流さないと行方不明と心配するよね」


ツリピフェラ「やっぱり、既に決めていたのね」



ラフィール「何だか、頭の良い人達の集まりなの」


聡「ラフィちゃんにはちょっと退屈だったよね。

 それなら、ここに座ると良いよ」


 そう言って、正座をしつつそこをトントンしてみると。


ラフィール「わぁいなの♪」


シェリナ「ラフィちゃんですって♪ 愛情深いのですね!」


聡「難しい御話になっていた所だけれど、これもラフィちゃんの御蔭だね」


マリアンナ「その通りですね♪」



シェリナ「ですが、連絡はどの様にしたものでしょうか?」


聡「種族ごとの建国で偵察とかの概念は無いとしても、こう言った御時世だし色々と疑心暗鬼になっている部分も有るよね。

 それじゃあ、シェリナさんが直接御母様に話した上で謁見か連絡かを考えれば彼女も安心して話せると思うんだよ」


シャンナ「今の聡様は東洋の視察団でもある訳ですし、それは名案ですね」


ツリピフェラ「やっぱり、向こうの知見はこちらの世界よりも進んでいるの。

 勿論、この世界にも器用に生きるための知恵は色々有るけれど」


聡「それじゃあ、機会が有ったら東洋怪異の国で辞書を買おうかな。

 言語体系は似ている筈だし、本来向こう生まれの僕の方が学ぶ事は多い筈だから」


シェリナ「謙虚なのですね」


聡「シェリナさんこそ」


ラフィール「お姉ちゃん、良いなあ。 ラフィも皆が安心して暮らせる様になったらラフィ達の森でステキな恋を探してみるの」


聡「頑張ってね。 ラフィールちゃん」


シェリナ「それでは、私も頃合いを見て御城に戻ろうと思います。

 どの道この難局の中で私だけ御主人様と同行する事などできませんし、もしも連絡と言う形で宜しければツリピフェラさん越しに通信させて頂く事もできますからね」


ツリピフェラ「それが良いの」



 その一時後。


ラフィール「ところで、シェリナお姉ちゃんはこれで安心だけれど、セフィリカお姉ちゃんもきっと色々考えているよね」


シャンナ「確かに、模擬戦の延期が伝えられたとしてもラフィール様の事を心配した彼女等がこちらに来ている可能性は高いですね」


ラフィール「そう言えば、元々その話をしようと予定していた所に昨日連絡が入ったから、丁度今日来てくれるって言っていたの」


シェリナ「アスピスのセフィリカさんも、ラフィールさん想いですからね♪」


聡「それなら、僕等もそちらに向かってみるよ。

 サニアちゃんとの一件については、シャンナさんを見た方が早そうだし」


シャンナ「それが良さそうですね」


 僕は元々奥床しいお姉さんが好きだったけれど、苦笑するシャンナさんも魅力高いんだね。


ツリピフェラ「聡お兄ちゃんも、この世界に慣れて来たみたいなの」


シェリナ「その様ですね♪」


 ……女の子は敏感と言うけれど、実際にそうみたいだね。



 こうして、シェリナさんを見送った僕等はラフィちゃんの御家おうちに到着した。

 と言うのも。


聡「何この小さい女の子がいた様な御家」


ツリピフェラ「こう見えても、良く組まれているの」


マリアンナ「そうだったのですね」


ラフィール「えっへんなの!」


 そう言って、無い胸を張ったラフィールちゃん。

 女性配慮で今までは触れなかったけれど、190cm程有るプレシア属の皆さんは目線の高さにFカップ位が平均に見えるから、150cm以上有ってもこの子は本当に小さい女の子と言った雰囲気だよね。


聡「伊達だてに東洋と陸続きではないと言う事だね」


ラフィール「そう言う事なの♪」


 そうやって和んでいると、右方向から天使然としたあの人が姿を見せた。


セフィリカ「皆さん、御機嫌よう♪

 ラフィールさんも、御早う御座います」


一同「セフィリカ様、御早う御座います」


ラフィール&ロリポップ「セフィリカお姉ちゃん、おはようなの♪」



セフィリカ「どうやら、聡さんには私の心配など要らなかった様ですね」


 明るい彼女にしては、珍しい言い回しだね。 それなら。


聡「それでも、貴女様あなたさまに気に掛けて頂けた事は素直に嬉しかったですよ」


ツリピフェラ「セフィリカ様も、移住先で器用に立ち回っていると思います」


ロリポップ「移住先って、どう言う事?」


聡「つまり、ロリポップちゃんは知らないけれど、ツリピフェラちゃん達の常識から見たらつい最近の年代にこの世界に移り住んだのですね」


 木本プリバドと言う位だから、数百年前と言った所だろうか。



聡「それにしても、地図にも有るアスピスと言う種族名は珍しいですよね。 英語でアスピルと言うのは吸収すると言う意味の動詞ですが、一般に種族名は名詞ですし」


マリアンナ「私が言うと聖女に十戒ですが、彼との知恵比べは避けるべきでしょう」


 ああ、日本的には釈迦に説法だけれど、こちらの世界での独身相手にはそう言うんだね。 ……いや。 もしかしたら、宗教戦争をしないアスピスは、スノードロップの皆さんに友好の証として色々と教えていたのかも知れないね。


 それなら、萌える生き物の2でも有名なアプロディーテー=マリが語源の結婚式を冠した名前にも頷けるし。


セフィリカ「貴方は自分の立場を乱用する様な人には見えませんし、そうですね。

 状況証拠等で考えると、聡さんは今回の魔法具の過剰生成疑惑の首謀者はどこだと思いますか?」



聡「恋人の国を疑うのは難ですが、それを言い出すとこの国が可哀想な事になるので素直に申し上げますね。


 まず、明らかに違う国は隣国のシュクレが生き残れていて近接ベースと思われる事からもサラマンダーと、魔法具の性能からしてフェアリーとセイレーン。


 それと、隠れて練兵した方が合理的な事からも最大大国の東洋怪異と、属性抵抗が有利な大型種のプレシアは、姫君の動きを見ても違いますよね。


 これにツリピフェラちゃんの行動を加味すると、実動隊として一番怪しいのは竜に有効な氷属性を持つスノードロップですが、次に怪しい移住者のアスピスに協力する形でそうした可能性も有りますよね」



セフィリカ「……恋人のために尽力する男性は強いとは良く言ったものですね。

 大方正解ですが、それでも玄武隊には刃が立たない私達の目的はこの世界への武装応用では有りませんよ」


ツリピフェラ「まるで聡お兄さんみたいな別勢力と睨み合っている様な言い方なの」


セフィリカ「これまでは他国にどう説明したものかと思案しておりましたが、思えば聡さんは異世界の生きた証明なのですよね」


聡「僕等の世界には人類の愚かしさを表す言葉に核抑止力説と言う物も有りますが、木本プリバドの女の子を数人その勢力の居場所に移送してこの世界の歴史書を渡して来れば、争いを伴わない外交もできそうですよね」



ツリピフェラ「ツリ達は核ではないけれど、そうすれば戦力の見えない異世界の人達が相手でも戦わない努力を誘発できるの」


マリアンナ「戦わない努力。 ……思えばセイレーンの皆さんはそれをしていたから女性的だったのかも知れませんね」


 バトル系や令嬢物に留まらずストレートマイナーのお姉さん達のSAN値までごりごりと削り取られて行く光景が浮かんだけれど、ある意味これは仲の良い皆さんとは対象年齢の違う人怖属性のヤバホラに当たらないか?


 身構える事ができないと言う意味では、精神的な齟齬から来る悪気が無い闇程怖ろしい物はそうそう無いけれど、西洋では女性が持つとされる左の闇もちゃんと右から支えてあげられるのがこの世界に似付かわしい良い御主人様だよね。



 そう思っていると。 フィッコォリン、フィッコリン。

 直前とは対極的な聖女の様な着信音に当事者の方に向き直る。


ツリピフェラ「セレーネ様、こんにちはなの。

 ツリ達も丁度その話をしていた所ですが、聡お兄さんに代わりますね」


聡「セレーネ様、初めまして。 御電話代わりました」


セレーネ「聡様、初めまして。

 貴方の御話はシェリナから良く聞かせて頂いております」


聡「その光景が浮かびます」


セレーネ「驚かないのですね♪

 ところで、魔法具の過剰生成疑惑について調査をされている様ですが、進捗の程は如何いかがでしょうか?」


聡「その事についてですが、民衆が事の詳細を知らないまま首謀者の国だけを知ったら貴女様の国の外交に支障が出るかも知れませんが、この子の協力も有り解決の目途は立ったので、東洋と縁の有る私や諸外国を今一度信頼しては頂けないでしょうか」


セレーネ「やはり……中型種かプレシアなのですね。

 予想はしておりましたが、向こう育ちの貴方に全てを委ねるなど、これではわたくしが虫の良い女になってしまいます」


聡「そうでしょうか?

 一夫多妻の世界とは言え僕はシェリナさんの恋人ですし、分かっている国名を言わないで信じて欲しいと言うこちらこそ虫が良い様に思えるのですが」


セレーネ「何だか私達、似た者同士ですね」


聡「同感です」



セレーネ「私が年頃の少女でしたら好いていた所ですし、これなら安心して娘を送り出せます」


聡「そう言って頂けるのは嬉しいですが、今まで抑止力を意識していた矢先、貴女様の国の民意も有りましょう。

 それに、今一度母娘の時間を大切にして差し上げたいですし」


セレーネ「……完敗です。

 私も良き姫君を目指して尽力して来ましたが、本当にステキな御方なのですね」


聡「セレーネ様こそ」


セレーネ「はっ、私とした事が。

 娘の恋人にこの様な心持ちになっていては、セイレーンの代表としての面目が立ちませんね。 スノードロップの国には姫君も一人の女性と言った格言も有りますが、失礼を致しました」


聡「こちらこそ。 シェリナさんにも、不束者ふつつかものですが宜しく御願い致しますと伝えて頂けると助かります」


セレーネ「あの子はそんな風には思っていませんが、分かりました。

 それでは、今度はあの子の母親として再会できる様に私も尽力致しますね」


聡「御互いに、頑張りましょう。 それでは」


マリアンナ「(小声)まるで恋人の会話でしたね♪」


 通話が終わったのを見計らって小悪魔っぽく囁かれて文字通りに飛び跳ねた僕に、クスクスと微笑んでいる一同。

 僕も女性的な恋に憧れて彼女等みたいな人達に恋人になって貰ったけれど、他国の姫君のセフィリカさんも含めてこんなにステキな異性揃いだと時折目のやり場に困る事も、察しの良い皆さんには分かっている事だろう。



聡「ところで、総合的に考えるとアスピスの皆さんはとても信心深い異世界人か天界に居たエンジェルの仲間に思えるのですが、移住の際に使われた転送装置等は残っていますか?」


セフィリカ「天界を見た事が無い聡さんが前者の様に思われるのも無理はありませんが……私達の元同胞が貴方の世界に伝えたと思われる伝説と通じる部分が有る様に、私達の正確な種族名はカオス・エンジェルと言うのです」


マリアンナ「隣人愛に生きる貴女方こそロウ・エンジェルの名が相応しい様に思えますが、元居た世界から離れる事にはそれだけの気負いが伴うものなのでしょうか?」


 敢えて堕天と言わない辺りが、彼女の優しさだよね。


聡「それだけ世界を諦めなかった人達に対して敬意や謙譲の意識を持っていると言う事でも有りますよね」


ツリピフェラ「どちらも諦めるの意味が違うけれど、聡お兄さんが言うと何倍も重く聞こえるの」



ラフィール「ラフィ、わかんない」


ロリポップ「ロリも、わかんない」


 思考停止している子達が居るけれど、対象年齢の高過ぎる表現には多かれ少なかれこう言う要素も含まれるからね。 どうやってフォローしたものか。


シャンナ「それでは、お姉ちゃんと一緒に魔力の実を探して来ましょうね♪

 希少種の実も、きっと役に立ちますよね」


セフィリカ「確かに、送るのは少人数とは言え長距離の移動である程入口を開くには相応の魔力が必要ですし……宜しく御願い致します」


ラフィール「それじゃあ、皆にも大きいのだけ取る様に御願いしてみるの!」


聡「そこは全国共通なんだね」


ロリポップ「それじゃあ、行って来まーす♪」



 文字通りに、勢い良く飛んで行った二人を愛情深く眺めつつ。


シャンナ「それでは、一旦別行動にしませんか?

 マリアンナさんとツリピフェラちゃんが居れば、東洋や木本の皆さんへの報告には十分でしょうし」


ツリピフェラ「それについては、ツリに任せてなの」


聡「ロウ系の木本プリバドもある意味小型種だし、それが良いね。

 それじゃあ、シャンナさん、セフィリカさん、御互いに頑張りましょう」


セフィリカ「はい♪

 私は分析用の果実を持ち帰るのでもう少しこの国に居ますが、聡さん、マリアンナさんも、御互いに頑張りましょう」


マリアンナ「はい、セフィリカ様♪」


 こうして僕等は、いかにも後ろにメイドさんを控えさせていた様な口振りの彼女を見送りフェアリーの森林を後にした。

 一旦連絡を挟もうかと考えたけれど、セレーネさんもそうである様に今回の一件に関しては細心の注意を払って行動する必要が有る訳だから、先方から一周回った事が予測される頃合いまでは慎重に様子を見ても問題は無いだろう。



節目の後書き

 これはPC版ドラゴン少女の極めの黒を攻略する中で気付いた事ですが、シェリナさんやマリアンナさんの仲間がPCゲームに多い理由には物理的な女性の描写を極致にしたら精神的な女性扱いも付いて来たと言う事も言えそうですよね。


 何よりも愛情深さが先行するB√の作者補正ではその関係性が逆転していますが、それとなろうワールドを照らし合わせた時に浮上してくるセイレーン急所事件については令嬢物の環境調査が社会学の動向調査に近いとしたら私のやつは女性思想の化身なのでその違いみたいな物でしょう。


 A√を実況していた頃の清楚ナズナが小型種と一緒に居る時の聡さんの言動にほぼ賛同していたのは母性行動な訳ですが、なろうアニメ基準で考えると人格持ちはそうならないが常識な割にその場合の男性率も8割型ではないですよね。


 とは言ってもざまぁ環境を踏襲していない方の恋愛ベースを読みに来る層は相対的に女性的な筈なので、A√の大型種のPV比が東洋、サラマ、プレシの男性型で並んでいて他の部分がセイレーンとB√を除けば小型種と恋愛のバランスと言う

 「愛に生きるのが幸せだが今は強さだ」型であってもなろうの平均よりは良心的と言えるでしょう。

 こう言うと「清ナズは頭がLカップなんだよ」と言うK点超えの名言も生まれそうですが、某スパイ的に言うとそれはそれで極上ですよね^ ^;

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