第36話 周回

 翌日からはサラマンダンジョンに通い続けた。とはいえもちろん大学にも行っていたからずっと潜り続けたというわけではないけども。

 ダンジョンに潜ったとはいっても基本的には同じことの繰り返しで出てきたモンスターを倒しまくった。


 二週間くらいたつと俺のステータスはこうなった。


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ステータス


田中秀明

レベル    : 1

HP     : 1245/1245

MP     : 1025/1025

SP     : 0

スピード   : 2480

攻撃力    : 535

防御力    : 535

ラック    : 35


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固有スキル

【ドロップ】

所有スキル

【分裂】Lv.100、【ヌルヌル】Lv.7、【風魔法】Lv.2、【岩魔法】Lv.3、【跳躍強化】Lv.1、【脚力強化】Lv.2、【炎魔法】Lv.2

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 岩スライムとダンガンラビットに関しては今回はスルーした。というのもサラマンダーを倒すほうがコスパがよくなってしまったからだ。

 だんだんとスピードが上がっていったおかげでサラマンダーの何倍かのスピードになったし、攻撃力も上がったからほぼ一撃で倒せるようになった。


 周回の結果としてはサラマンダーを俺は50匹倒してステボが20個のドロップ。最初のほうは結構ステボがドロップしていたけども、それは最初のうちだけで最終的には40%くらいの収益率に落ち着いた。ラックを上げれば、収益率を上げることができるのかもしれないとは思うけど、いかんせんラックの高いモンスターがいないせいで確かめるのが大変そうだから途中であきらめた。


 ただ、ファイアサラマンダーのステボを回収するのが大変だった分、お目当ての【炎魔法】が手に入ったときはめちゃくちゃうれしかった。

 あまりにもうれしすぎて手に入れた瞬間にファイアサラマンダーに向かって撃ってみたんだけど、あいつら【耐炎魔法】スキルもあるらしくて全然ダメージを負わなかったせいで拍子抜けした。けどうれしいので許す。

 

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【耐炎魔法】


 炎魔法によるダメージを軽減するスキル。スキルレベルに比例してダメージの軽減率が上がっていく(レベルが1ならば1パーセント軽減、レベル100ならば無効化できる。ファイアサラマンダーはスキルレベル100なので無効化できる)。


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 俺も【耐炎魔法】スキルを手に入れられたらよかったんだけど、【ヌルヌル】同様レアスキルらしく残念ながら入手することはかなわなかった。今後もサラマンダーを倒していつかは手に入れるつもりだ。


 一方で猪貝のほうも俺と同じくサラマンダーを50匹倒した。そしてランクは5ほどあがったようで、スキルポイントが結構増えたと言っていた。そしてそのスキルポイントで【察知】スキルと【回復魔法】を手に入れたらしい。


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【察知】


 モンスターの居場所を把握できる。が、モンスターの位置がわかるだけで、その対象物がどのようなモンスターなのかを把握することはできない。


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――――――

【回復魔法】


 ダメージを回復させることができる。スキルレベルによって回復するスピードや治せる傷の種類が増える。ただ、死んでしまったものに関しては生き返らせることはできない。


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 この二つを入手した理由は、モンスターを発見しやすくなりダンジョン周回の効率が上がるから、ということと、【ヌルヌル】で治療してほしくないらしい。


一応確認で

「美肌効果もあるのにいいの?」


って聞いたら


「キモイからいいっ」

と思いっきり拒絶されてしまった。



 そして倒しまくったおかげでお金もたまり合計で60万ほどを手に入れることができ、二人でちょうど半分、つまり30万ずつに分けた。


 そのお金で俺は武器の買い替えを行い、長剣を新たな相棒として選んだ。理由としては単純でリーチが長いから、というのとダンジョンに何回か潜っているうちに体力がついたから長剣を振り回すくらいに体力に余裕ができたからだ。

 一応、今まで相棒として頑張ってくれた短剣は敬意を表してリュックの中に入れて毎回持っていくことにした。


 猪貝のほうも新しく弓を購入したらしい。

 今までは技術の関係で武器として弓はなかったのだが、最近になってやっとモンスターにダメージを与えられる技術が発明され、ダンジョン用の装備として登場したらしい。ちなみに猪貝は弓道をやっていたおかげで難なく使えるらしいからかなり期待している。


 その他もろもろダンジョン用のものを購入したりしてお金を使ったがいくらか余ったので、俺と猪貝で旅行に行くことにしたのだった。

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