第26話 再挑戦①

 翌日、俺たちはサラマンダンジョンに再挑戦した。

 一階層と二階層に出現した岩スライム達は例の如く、一撃で倒した。猪貝にも戦わせてもよかったのだが、いかんせんコスパが悪い。だから出くわしたスライムに関しては俺がすべて倒し、ステボを回収した。とは言っても20匹程度なのでそこまでステータスは上がらなかったが。


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ステータス


田中秀明

レベル    : 1

HP     : 300/300 

MP     : 110/110

SP     : 0

スピード   : 280

攻撃力    : 280

防御力    : 280

ラック    : 12


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固有スキル

【ドロップ】

所有スキル

【分裂】Lv.100、【ヌルヌル】Lv.7、【風魔法】Lv.2、【岩魔法】Lv.3

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 3階層から6階層に関してはダンガンラビットが出現する。昨日の探索では狩りつくされてしまってお目にかかることはできなかったが、今日はまだ狩られていないらしく遭遇することに成功した。


 ダンガンラビットの見た目は基本的にウサギで可愛らしい顔をしている。ペットにしたいくらいだ。唯一の違いと言えば、足がウサギと比較して異常に発達しており、足だけで体の半分の大きさになっている。そしてこれが名前の由来になっている。

 ダンガンとはもちろん弾丸のことで、こいつの攻撃がまさに弾丸のようであることから名づけられた。もともと強靭な足による脚力があるくせに、跳躍強化という補助魔法を使うことでさらに脚力を増強し、すごい勢いで突っ込んでくる。

 ただ、こいつの攻撃は突撃の一択で、それ以外の攻撃はないから、突撃対策さえしとけばそこまで怖いモンスターではない。


「猪貝のスピードだとダンガンラビットにはかなわないから、そこに隠れてて」

「う、うん。わかった」


 猪貝に隠れるように指示をした後に一匹のダンガンラビットの目の前へと飛び出す。


「ほら、来いよ。お得意の突撃攻撃でもしてみな」

 

しかしダンガンラビットは俺の挑発には乗ってこず、なぜか足をバタバタとさせ音を発生させるだけ。


「何をしてるんだ……? 攻撃しちゃってもいいのか?」

 

 俺は腰に掛けた短剣を手に持ち、弾丸ウサギのほうへとむける。

 が、その瞬間


 「キュルルゥ」


 とダンガンラビットが声を挙げたかと思うと、周りから何匹かのダンガンラビットが姿をあらわす。


「やっべ、こいつただ足をバタバタさせてたんじゃなくて仲間を呼んでやがったのか」

「私も加勢した方がいい? 一人だと……」

「いや、大丈夫だ。むしろ猪貝がこっちに来た時のほうが危険だから、そこで待ってて」

 


ダンガンラビットの数を端から数える。まさか仲間を呼ぶなんて思わなかったからびっくりだ。

「うさぎちゃんが合計で……、6匹か。いけるか? いけるな」


「「「「キュルルゥ」」」」

 6匹が同時に叫んで同時に突撃してくる。周りを囲まれて突撃されたせいで逃げ場はない。


「6匹いるのは想定外だったけど、攻撃方法さえわかっていれば対策なんて立て放題なんだよっ。【ヌルヌル】ッ」


 俺の体の周りに粘度マックスのヌルヌルを出現させる。そしてそれを多重の層にして、ダンガンラビットの突撃攻撃を受け止める。

 ダンガンラビットの頭が一層目を軽々突き抜ける。が、そこで勢いを削ったおかげか、二層目では少し苦戦して突き抜けるのに時間がかかっている。

 そしてヌルヌル三層目では、最初の勢いがなくなりだんだんとヌルヌルに絡め取られて、動きを停止するダンガンラビット達。頑張って抜け出そうと足をバタバタさせるもかなわず、途中でスタミナを使いきったのか次第に動かなくなった。


「おっしゃー。大量大量。こんなにうまくいくとは思わなかった~。一層目を突き抜けられた時には少しヒヤリとしたけど」


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