エピローグ
それで、その後は当然魔王城に突撃して魔王戦。
強い子・優しい子・素敵な子シャノンちゃんの活躍を役立てながら、俺達もフォロー。
危なげなく魔王を押していった。
最終形態になった時に四方八方爆発攻撃されたときは焦ったけど、俺の超回復スキルで何とかなった。
最後にジバクした時も、やべってなったけど、仲間の蘇生スキルでぎりぎり延命だ。
あと、魔王が残した毒の瘴気とか、しびれの効果とかが地味にダメージ継続してたけど。これも仲間の状態異常フル回復スキルで何とかなった。
で、魔王討伐の証しとして、魔王の角を持って城から出たら、まだ勇者達が白目向いて倒れていた。
よく生きてたね。
せっかく魔王倒して平和になったのに、このまま置いていってどっかの狂暴なやつに食い荒らされ、骨になっていたら後味悪い。なので、仕方なく安全圏までつれていった。
魔王討伐の報告は、自分が所属している国の王に知らせる事になっていたので、また旅の道をなぞって帰還。
普通なら、最寄りの町の騎士団とか自治組織に連絡して、馬車を用意してもらい、盛大に凱旋するのが常識らしいけど、別にそういうの好きじゃないし。
なので、旅の間にできた信頼できるお偉いさんの貴族に「魔王倒したよ」と連絡して、魔王の角の片方を送っておいた。
早く知らせて人々の不安とかは解消してあげたいからな。
後に、王都で騒ぎになっていたのはちょっと反省。
重要人物なんだからしっかり護衛されて帰ってきてくださいと、騎士団のお偉いさんから怒られてしまった。
全てが終わった後、久々に解放された俺は、自分の物になった屋敷でゴロゴロしていた。
なんてことはなく、ただの冒険者として忙しく、あちこち歩き回っていた。
お金もそんなないよ。
褒美とか貰わなかったから。
だって怖いじゃん、「調子に乗ってんなよ、たかが平民風情が」とか言われそうで。
だから、適当に行方をくらましといたんだ。
欲がない、なんてたまに言われてるけれど、ちやほやされることに耐性ないんでね。
でも、まさかシャノンちゃんまで同じ道を選ぶとは思わなかった。
「本当にいいのか。王様からなんだって貰えただろうに」
「いいんです。わたし、まだまだ困っている人がたくさんいるって知ったので、色々な事をやりたいんです」
本当にいい子だな、シャノンちゃんは。
まさに主人公だ。
仲間達は自分の店を持ったり、道場を開いたり、貴族になったりしているというのに。
たまに、中盤でみかけなくなった悪役令嬢に絡まれて、困る事はあるものの。
俺達は、平和な世界で、割と地味に生活していた。
「ジークさんはこの後どちらの村にいかれるんですか」
「ん、近くの村をぶらりといこうかな」
「じゃあ、私もご一緒していいですか」
「えっ、大歓迎だけど。俺と一緒でいいの?」
役立たずだからと勇者パーティーから追放されたヒロインを助けたら、いつの間にか一緒に魔王倒す仕事してた。 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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