第16話 俺達の憩いの住み処にクサい奴らがやって来た ! 無

勇者パーティーを追放されたケンタローは聖女ブラウニーと猫耳族ミーナを仲間にし、300体近い使い魔を従えてゴブリンから進化したゴブ人の巣穴を改良して住んでいるんだ。


先週はなんと、ゴブ人が100人くらい増えた。俺はもう、数える気もないので適当なんだけど、ジェネラルがとても真面目なので、昨日はゴブ人が28人増えて総勢259人になりました、と報告をしてくれた。


ジェネラルがリーダーやった方が良いんじゃね ? って言うんだけど、上手く流されてしまう。どう考えても彼の方が頭良いよな ? 絶対 !!


ゴブ人は能力が上がったので狩猟や採集も充実してきて、食糧難は乗り切れそうだ。

仲間が急激に増えたので、家も足りなくなるからどんどん造った。家は20軒を超えて、巣穴というよりも村のようになってきた。


そんなある日、突然俺達の里に怪しい者が近付いていた。


グレートコンドルのアクアは真っ先に報告に来ていた。

「ケンタロー ! ここに向かっている怪しい人が12名」

ほぼ同時に魔仙狼コテツもウルタロ、ウルジロ、ウルコを連れて駆け付けた。


「ケンタロー ! クサい奴の匂いがするよ !」

「ありがとう、コテツ ! ブラウニー、ジェネラル達に伝えてくれ ! 敵は12人だ !」


「はい、分かったわ。ケンタロー、気を付けてね !」

ブラウニーは走った。


すぐに10人程のゴツい体格の男達がやって来た。先頭の4人は馬に乗っている。ケンタロー達は姿を隠して里の入り口で待っていた。


「げはははっ新しい村はここに間違いないな !」

「へい、親分。奴ら、見張りも無いですし、まるで無警戒ですぜ !」

「はっは。こりゃあ楽な仕事だぜ ! おい、ぶっぱなしてやれや !」

「へい !」


ケンタローは近くに来た男達を鑑定した。盗賊に間違い無い。


指示を受けた男が火魔法を放った。当然彼は盗賊の中では魔法が得意な者だった。

ケンタローは隠密で姿を隠したまま、男の魔法にタイミングを合わせて、すぐ目の前に土魔法で壁を作り跳ね返したのだ。


すると、男にとって初めて経験する恐ろしい事がおこったのだ。


家を焼くような大きな魔法を放って、普通に近くの家が燃え上がるだろうと思っていると、あろうことか目の前で反射して大きな魔法が返ってきたのだ。


「「「うわああああああああああああああああああああああああああああーーーーーー !!!! なーぜーーー ??」」」

ケンタローはついでに火魔法を放ってやった。

それはまるで、暴発したかのようになった。


「おいこら、お前、なんてことしやがる !」


本人だけでなく、近くにいた4~5人が丸焼けになった。


「水、水、水、ウォーターボール !!!」

その男は水魔法を放とうとしたので、手を掴んで親分の方に向けてやった。


「うわあああー、何しやがる、このやろう !! さてはテメー 狙ったな !!!」


ガツン !! ドーーーン !!

「うわあっ、ひえええーー !」


魔法使いの男は親分にぶん殴られて落馬した。

ちょうどジェネラル達とブラウニーが大勢の仲間とこちらへ向かって来た。

"よーし、みんな ! 攻撃開始だ !!"


俺はリーダーを狙って影から斬り掛かった。


ザシュッ ! 肩口に当たった ! しかし、浅かった。

リーダーは場数をこなしているだけあって、不意討ちを受けたというのに、こっちの場所を予測して反撃してきた。俺はその剣を何とか受け止めた。強い !!


俺の姿は暴かれた。しかし、味方が盗賊達に次々と襲い掛かって行く。


俺はリーダーを相手にするけど、相手はやたらと腕が立つようで簡単にはいかない。不味いな ! コイツの方が強いぞ !


水魔法を放たれ太股に一発食らってしまった。くそっ、

足が痛む !


コテツが一人の盗賊を倒して俺のサポートに来てくれた。そしてスライムの酸と仲間の魔法の攻撃で後押ししてくれた。


仲間の後押しもあって、ジリジリと押し込んでいったんだ。

「この俺様がこんな奴らに遅れを取るとはな ! クソがあ !」


俺はリーダーの決死の一撃をギリギリでかわして、又も肩口を斬り付けると勝負あった。

何とかリーダーを倒すことができたんだ。


盗賊は全て取り押さえた。

そして、盗賊の乗っていた馬も全て捕獲した。


「ふーーー !! 厳しい戦いだったぁー ! みんな、ありがとう、助かったよ !!」

「余裕だよ !」

「そうですよ、ボス !」

「キューキュー !!」

「バウー !」


「なんだコイツらは ? ゴブリンや魔物ばっかりじゃねえか ?」

「おい、キミキミ !! 俺達はただの猟師だぜ、こんな風に縛ったりしないでくれよ !!」


やれやれ、コイツら、あれだけあからさまに攻撃して来て、今更シラを切るつもりだよ。


「悪いけど俺達の中には鑑定持ちが要るんだ。言い訳は衛兵にしてくれよな。まあ、俺達は拷問したり傷付ける気は無いから安心してくれ !」


「はあーー?? ふざけんなクソヤロー !!」

「ジェネラル ! うるさいから猿グツワしてくれ !!」

「はい、了解です、ボス !」

「フガーー、フガフガ ! …… 」


ブラウニーが痛めた太股に回復魔法を掛けて治療してくれた。

場所が場所だけに擦られると、ちょっとピクッとしてしまった。ダメだダメだ、こんな昼間っから !!!


衛兵を巣穴に呼ぶ訳にもいかないから町の外れまで使い魔に担いで行ってもらったんだ。そこで衛兵に引き渡した。

紅い夜露というかなりのお尋ね者集団だったようで、いくらか褒賞金がいただけるようだ。


後ほどギルド経由で支払われるそうだ。ゴブ人の使い魔が多くて家は大変なので少しでも助かるよ !!

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