第3話 出会ったは運命かな!?


 少女とずぶぬれになった青年のキョトンとした顔が、互いの瞳に映りあう。


 そこは、農村地区の貯水池。水をためるはずの場所であるはずだが、青年の腿くらいまでしかない。


 姫は、異常がみられる地区に、休憩も兼ねてごり押しでやってきたところで、貯水池を息抜きに一人で散策をしていたのだ。


 そこに天から降ってきた男が、今、姫の目の前にいる青年である。


 青年が、第一村人の姫を眺めた。

 そのぽけっとした表情が、姫にとってはなんとも新鮮で。


「……君は、だれ?」


「いや、おぬしこそ誰じゃ!?妾は!!この国の姫で、王であるぞ!!」


「俺は……誰、なんだろうね」


「ん??」


「えへへ」


 結局、空から降ってきたへらへらと笑う青年を、姫は興味半分で保護することになった。

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