第6話 初依頼

かなり強く押されて入ったそこは、ガヤガヤ

と、とても楽しげに会話しながら酒を飲んで

いる、冒険者(?)でいっぱいになっていた。


「おぉ、すげぇな異世界。」

「あんた、ホントそればっかりね…」

「う、うるせぇな。悪いかよ…」

「悪いですー。」

「あ、あのなー!」 

「ハイハイ、そこまでですよ~!」

 

少し言い争っているとシャルティが止めに入ってきた。

日本では、ところ構わずこの言い争いが勃発していた。

いつでもどこでもね。


「2人ともっ、言い争いするためにここへきたんじゃないでしょっ?」 

「あぁ、まぁ、そうだな。」 

「そうでしょ?じゃあ、早く冒険者登録しようよ!」

「そうねぇ。」


シャルティに上手く言いくるめられ、ギルドのカウンターらしき、場所へ連れてこられた。


「あらシャルティ、どうしたの?」

「今日はねぇ、友達を連れてきたっ!」


友達、ともだち、トモダチ。

本当に俺らは友達なのか?

そういえば、友達の判断基準ってのをあまり

考えた事がなかったな。

友達って、何だろ…

俺は意外と、「異世界行きてぇ!」みたいな

ことを言っているが、こういうことも考えることがある。


「あのね、名前はカイトと、アカリ!」

「そう、見ない顔ね。冒険者登録しに来たのかしら?」

「はい、俺らは登録しに来ました。」

「ちょっとまっててね。」


そう言うと、後ろの棚の中をガサゴソと何かを探し初めた。

ギルドの登録って金必要ないのかな?

手数料とか今の状況じゃ払えんよ?

まぁ、何とかするしかないんだがな。


「はい、これに手を当てて。」

「おぉ、魔力測るやつか。」

「そうよ、魔力測定器。魔力が多い人は色々な色に光るのよ。」 

「こうか?」


俺は言われるままに、水晶のようなものに手をかざす。

すると、回りが、とても大きな光りで覆われあたりいったいを虹色の光りで、埋め尽くした。


「え、えっー!?う、ウソでしょ?」

「こんな色出してる人見たことない…」


受付の人もシャルティも、物凄く驚いていた。

俺、スキル意外に、魔力もチートなんすか?

それってチート級のチートじゃん。


「こんな色を出している人は200年前の大賢者様以来だよ。」

「それってつまりヤバイってことだよな?」

「ヤバイね。」


俺、ホントチートすぎんだろ。

これが、恵みってやつか。

あんまし、ピンとは来ないけど、ここは素直に喜んでおこう。


「さて、どうしたもんかね。」

「とりあえず、アカリの魔力も測定してください。」

「そうだね。」


アカリも俺と同じように、測定器に手をかざした。

すると、また周囲が光りに包まれ、今度は虹色ではなく、5色の光りで覆われた。


「こりゃすごい、虹色程ではないが、5色も光りを出している人は久しぶりだよ…」

「わ、私も結構すごいのかな?」

「すごいね。」


アカリもかなり驚いていた。

俺程ではないが、凄いらしい。

2人合わせたらホント最強じゃね?


「今年の新人はどうやら凄いらしいね。」

「ぎ、ギルド長!?」

「どうも、ここのギルド長をやっている、レキアスだ。」

 

ほう、どうやらここのギルド長らしい。

なんとなく30前後といった年齢だろうか。

爽やかイケメンって感じだ。

なんか憎い。


「シャルティ、2人の名前は?」

「カイトとアカリです!」

「カイトとアカリか、いい名だな。2人は冒険は初めてかい?」

「はい、この国に来たのも今日なので。」

「そうか、じゃあ、Dランクスタートでいいかな?」

「Dランク?」


やはり、ギルドの制度には、ランクがあるらしい。

よくある、よくある。

Dは結構高い方なのだろうか。


「ギルドにはランク制度があり、冒険者ポイントごとにランクが上がるんだ。ちなみにDランクは、そこそこ高いぞ。」

「へぇ~。でも、いいんですか?」

「だって2人は数少ない高魔力だろ?それだったら、薬草採取よりゴブリン退治の方が、てっとり早く稼げるしね。」


魔力が、高いとはいえ、魔法の一つも使えないんだがな。

『ファイアー・ボール』とか使えないかな?

イメージで、出来ちゃったりするんだよな。

頑張ろっ。


「じゃあ、魔力量も測定出来たし、後はこちらで処理するよ。さっき言ったゴブリン退治とかやってみないか?」

「そうですね、やってみます。」

「はい、受注受け付けました。ゴブリンを倒したら出る、魔石をこちらのカウンターまで、お持ちください。」


魔石か~、まっ頑張ってみっか。


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恋する異世界満喫記 しゃけ大根 @syakedaikon

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