エピローグ
街からかなり離れた場所にある、海の見える高台。
そこに、簡素な墓が立っている。
墓碑銘には『ダフネ・コルネオ』と刻まれている。
墓の下には、この名前の女性の脳髄が埋葬されている。
ここに墓参りに訪れるものはいない。
巷では『カンパニー』の不正を若き地方医師が暴露し大問題となっている件や、『白の塔』の長官へ強襲班の班長が就任することや、裏社会のボスが死んだことで麻薬シンジケートが崩壊したことで大きな話題となっている。
しかし、そんな喧騒も、この場所までは届いてこない。
この墓を作った男は、不自由になった身体を引きずり、墓の周りに畑を作って暮らしていたようだ。
しかし、街からは赤黒い廃液が流れ込み、土壌を汚染し続けており、ろくな野菜を作ることはできなかった。
男はそのすぐ後、突如発生した大洪水に巻き込まれ、死亡したとされている。
男の経歴や詳細を知るものは、誰もいない。
鉄と油と火のない世界の魔法使い くねくね @kunekune_hn
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます