そしてゆっくりと歩きだす⑦
最後の1階に降りたところで
ちなみに昼休みにここをランチスペースとして使う生徒もいるが、基本的に食堂や中庭、教室で食べる生徒が多いので意外と穴場だったりする。一年の時放課後に清佳、遥香とテスト勉強したっけ。
そんな思い出に
「よ、お前ら。なんでこんなとこでゲームやってんだよ」
俺は3人に声をかけた。するとその中の1人。
「ちょっと待って、今イイとこ」
そうして3分間俺はたち尽くした。
はいと3人仲良くスマホを置いて俺の方を見る。
「どうしたタクイ」
秋斗が聞いてきた。
彼は俺と同じバスケ部だった。ガタイがよく、身長も179センチと高かったのでポジションはセンター。憎めない笑顔で割と女子からの人気が高いが本人はそういうのを
「いや、ちょっと探し物があってな」
「ほーん」
「♪〜探し物はなんですか。見つからない物ですか」
ほーんと声を漏らしたのは同じくバスケ部だった
そしてもう1人。
秋斗は続けて質問してきた。
「何探してんだよ。またあれか?
「おいやめろ」
俺は恥ずかしくなって目を逸らす。
「あの時は笑えたよな。『やばい、まじでやばい』って必死になってさ」
秋斗が当時の俺を真似て挑発するので余計に恥ずかしくなった。
「ははは!覚えてるわ。拓偉あの時、やばいしか言ってなかったよな」
とおちゃんが腹を抱えて笑い出す。
「おい、2人とも辞めてやれって。もう別れたんだぞ。ぷっ」
「おい、夏輝。更に傷をえぐるな!」
まったく夏輝め一瞬助けたと見せかけて裏切ったな。俺は悲しい!誰か
「ま、元気出せよ。」
秋斗が俺の背中を叩いて言うと、とおちゃんと夏輝もそれに続いてうんうんと頷いている。いやお前らのせいだからな?
「あーもう。いいよ。訊いた俺が馬鹿だった。」
呆れたと吐き捨ててその場を離れると、そうだなと夏輝が笑っていた。
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