そしてゆっくりと歩き出す③
と、いうことで。テニス部の活動場所であるテニスコートに向けて出発だ。テニスコートは体育館を出て右へ数メートル。体育館の横にあるのですぐに到着する。
さぁ行こうと意気込んで、クルッと左に90度ターンしたところでポケットのスマホがブー、ブーと2回
ポケットから取り出してスマホの画面を確認する。
『
そして
『テニス部に仲良い子がいるみたいだから行ってくるね』
とメッセージがそれぞれ別の
一足遅かったかとスマホをポケットにしまいながら、何気なく左を見ると二つの人影が近づいてくる。どうやら2人とも女子生徒のようで、ヒラヒラとお互いに丈の違うスカートをなびかせて、戯れあっている。うむ、眼福眼福。
「何じっと見てるの?」
どうやら見入ってしまったらしい。
「タク?どしたの?ぼーっとして」
そこで俺は気がつく。彼女たちが自分の知人だということに。
「おう、別に」
俺はしどろもどろに適当な返事をした。2人はふーんという感じで特に気にしてない様子。大丈夫バレてなかった。
「そういえばメッセ見た?」
遥香が不意にそんなことを訊いていた。メッセ?
「見たよ、テニス部だろ。俺もちょうど行こうとしてたとこ」
「あそう。じゃぁ一緒に行こっか」
あっけらかんと遥香が言ったので、俺たちは3人でテニスコートへ向かった。
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