人を殺したことがあると確信する男が狂人の鋏を振り下ろす。だが……という謎かけが残されるサスペンスだ。殺人感覚が異化された世界で僕らは答えのない「感覚」を頼りに真実の狭間に吸い込まれていく。これはウミガメのスープか?赤方偏移するナポリタンか?読み手の想像力を駆り立てる謎のサスペンスである。