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気付けば美結から着信とメッセージがたくさん入っていた。


「もしもし?」


『やっと繋がったよ。真帆どこにいるの?』


「あー、ごめん。すぐ行くよ」


すぐ近くまで来ていた美結たちと合流し班行動を再開するも、美結以外のメンバーはまるで私を邪魔者かのように扱う。少し心が痛んだけれど、そんなの無視だ。だって私は楽しむって決めたんだから。


「ねえ、美結。記念にお揃いのもの買おうよ!」


「お、いいねぇ。でもお揃いにしたいのは梶先生となんじゃないのー?」


「それはそれ、これはこれよ。私たち進路は別々なんだから。これから先も友達でいようね」


二人でお揃いのストラップを買ってカバンにつけた。


私は学生なんだから。

学生のときにしかできないことをしよう。

そして、いつか梶先生に認めてもらうんだ。


「真帆ったらちゃっかりタピオカ飲んでるじゃん」


「えへへ、いいでしょー」


梶先生からもらったタピオカミルクティー。

ひとくち飲むと甘さが体に染み渡って気持ちも穏やかになるようだった。

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