第4話 恋愛大作戦!?
「親分、今日もお疲れ様です。何か困ってることないっすか?」
「「「ないっすか?」」」
「いや、今はとくにないかな。ありがとう」
優が浦野番町率いるヤンキー組をボコボコにし、自分が元ヤンであることを明かしたあの日から数日たった。その間俺には、優以外にも何人か友達ができ高校生活は非常に充実している。そして優にボコボコにされた彼らはなぜか優のことを親分と呼んで慕っている。優に何かあったのか聞くと「教育」を彼らにしたらしいが、それ以上詳しくは聞かなかったことにした。
「では俺たちはこれで!そろそろ授業始まるんで」
そう言い残しヤンキーたちは教室を後にした。あのヤンキーたちが授業に遅れないように教室を後にするなんて更生しすぎだろ。服装も髪型も校則通りにちゃんとしてるし、浦野に至ってはメガネかけてたぞ。本当に何したらああなるんだよ。
「よお、二人ともおはよう!」
そんなことを考えてるとふいに声をかけられた。
声の主は新しく友達になった飯田大輔だった
大輔は面白くてコミュ力もそれなりに高くそこそこイケメンで、クラスの中心人物って感じの子だ。しかしその反面少し馬鹿で女好きなため、スペックの割にはあまりモテない。少なくとも夏休みまでには彼女を欲しいと言っているが、今のところできる気がしない。そのことについて大輔は悩んでおり、よく俺たちに相談してくる。
「いや全然彼女できる気がしないんだよー。で、おれなんでできないか考えたんだよ。そしたらある結論にたどり着いた。それは好きでもない女性を口説いてたからなんだよ。とりあえず手あたり次第女性に近づいてたんだけどそれはやめようと思って。」
確かにそれはそうだな。好きでもない女性に近づくなんてそんなの下心しか見えないし、そういうのは女性は勘づきやすいっていうからな。
「それでおれ誰が好きかなーって考えてたんだよ。そしたらある人が思い浮かんだんだ!」
「誰なの?それ!」
優は興味津々な様子だ。俺はあまりコイバナに興味がないタイプなんだがそれでも気になる。でもまだ4月で誰かを好きになるのはさすがに早すぎない?
「実は…美月ちゃんでーす//」
美月って…
えええええええええええええええええええええ
「美月って輝美月さんか!あの人すごいかわいいよね。僕もかわいいと思うし、多分みんな思ってるよ。でもあの人は可愛すぎる分高嶺の花って感じで意外と狙ってる人は少ないらしいよ」
優はそういうと大輔は非常にうれしそうにしている。
「それ本当か!いやーおれ実はあの人すごいかわいいし競争倍率もその分すげぇ高いかなって心配してたんだよ。ありがとう!」
えええ、あの人やめといたほうがいいよー。表向きは誰にでも優しい完璧美少女だけど、裏の顔はめっちゃ性格悪いよ。年収50兆円でキムタクレベルのイケメンじゃないと振り向いてもらえないよ。ここは友達として止めるべきだな。
・・・
いや待てよ!なぜか彼女は俺のことを必死に惚れさせようとしている。そして彼女と仲良くなったらクラスの男子に目の敵にされるし、そもそも俺は彼女に絶対に堕ちないと固く決心しているので、彼女のことを俺は必死で避けているのだが、正直もうめんどくさい。しかしどうだ、もし大輔のことを輝さんが好きになったら、もう彼女は俺のことなど気にしなくなるだろう。そうなったら俺はもう彼女のことを避ける必要はなくなる。よし!大輔と彼女が仲良くなるように手助けしよう!
「俺もお前の恋を応援するよ!頑張れ大輔!」
「お前ら…ありがとう…俺らはずっ友だ!!!」
そういいながら大輔は俺らに抱き着いてきた。
・・・
俺たちは作戦会議のため放課後教室で話し合っていた
「俺の作戦はこうだ!彼女の前に俺が颯爽と現れる。口にバラを咥えてな。そして俺はこう言うんだ!I love you. そして口に咥えていたバラをそっと渡す。これでどんな女性でも余裕で俺に惚れちまう」
大輔、お前がモテない理由が何となくわかったよ。突っ込みどころはたくさんありすぎるが、少なくともくわえていたバラを渡すのだけは汚いからやめといたほうがいいぞ。
「いやー大輔それはやめといたほうがいいよ。さすがにキザすぎる。まずはさりげなくプレゼントを渡すのがいいんじゃない」
そうだ優!その調子だ!大輔を止めろ
「プレゼントとして釘付きバッドをあげるといいよ!」
前言撤回。優もうそれ以上しゃべるな
「もうお前ら全然だめだ。俺の作戦を聞け!」
そう言い俺は彼らに作戦を伝えた。
・・・
「それにしてもすごい作戦だな。美月ちゃんを仕込みの男に襲わせて、その時に俺が颯爽と駆けつける。そしてヤンキーたちを俺がぼこぼこにする。確かに完璧だな。」
「さすが太陽だね。常人にはこんな作戦到底思いつかないよ。天才だね」
いやー割とありがちな作戦だと思うんですけど、どちらかといえばあなた方の作戦のほうが常人には思いつかないと思うんですけど
そんなことを考えていると輝さんが歩いてきた。
「とにかく今から作戦を実行するぞ、そろそろ仕込みの男たちが来るころだ…来た来た、あいつらだな。作戦通り輝さんに話しかけているな。よし行け!大輔」
大輔は勢いよく駆け出し彼らのもとへ向かった。
これで完璧だ。やっと輝さんから解放される。邪魔だったものがやっと一つなくなるぞ。
「親分、遅れましたー。まさかの補習になっちゃたんですよねー。すんません」
「「「すんません」」」
え?
俺たちは後ろからいきなり声をかけられた。後ろを振り返ると、そこには輝さんのもとへいるはずの仕込みの男たち、浦野番町率いるヤンキー組が立っていたのだ。
じゃあ、輝さんのところにいるヤンキーは…
「おいお前!美月ちゃんに手を出すんじゃねえよ!えーい…あれ?」
大輔はそう言うと、ヤンキーの顔にパンチをおみまいした。しかし...
「全然お前のパンチ痛くねえぞ、なめてんのかおら」
(あれー作戦と違うんですけど…作戦によればここでヤンキー倒れてるんですけどー)
「調子に乗りやがっておらっ」
ヤンキーも仕返しに大輔の顔面にパンチをする
「お前のパンチなんて効かねえよ、、、あれ?」
(え、めっちゃ痛いんですけど。作戦じゃ全然パンチ痛くないって言ってたんじゃん。あれー?)
大輔はヤンキーのパンチをもらうとその場に倒れてしまった。
「なんだこいつ、すげえ調子に乗ってた割にはくそ弱いじゃないか。それよりお姉ちゃん、俺と一緒に楽しいことしようぜ」
ヤンキーはぐへへへと笑いながら輝美月に近づく
(この大輔って子。急に自分の名前名乗って助けてくれると思ったのにすごい弱いじゃん。なんなのよ)
そんなことを思っている輝さんをお構いなしにヤンキーは輝さんの手をつかんでどこかへ連れて行こうとする。
(やめて、誰か助けて…)
ドサッ
(え?)
輝さんの目の前でヤンキーが倒れた。
「大丈夫か?」
現れたのは太陽だった。
あぶねー。まさかこのタイミングで本物のヤンキーに輝さんが絡まれるなんて。あわや輝さんがさらわれるところだったぜ。よかったー。てか大輔弱すぎるだろ。作戦失敗か―。そうだ輝さんは?
そう思い輝さんのほうを俺は見ると彼女は目をキラキラさせて俺のほうを見ている。まさか…
(青木君!?なによこいつ私のことあんなに避けてたくせに、こんな時だけは助けて。ホントになんなの... なんなの// この胸の高まり…もしかしてわたしこいつのこと...)
もしかして輝さん俺のこと…
(好きになっちゃったああああああ!?!?!?!?)
好きになっちゃったああああああ!?!?!?!?
・・・
「クッソあの大輔とかいうやつの次に来たあの男。俺がナンパした女と仲良くしゃべりやがって。後ろからこの隠し持っていたナイフで刺してやるよ。お前も後ろからいきなり殴りかかってきたんだ。これでお相子だろ。死ね… あれ?」
太陽のことをヤンキーが刺そうとしたとき、ヤンキーの腕が何者かにつかまれた。それは優だった
「あれー?きみ、今なにしようとしたのー。それナイフだよねー。そんな危ないもの人に向けたらだめだよね?ちょっとこっちにきてよ。今から君にも『教育』してあげないと」
「ぎゃあああああああああああああああああああ」
チート能力もらったのに異世界に行けず、無双もハーレムもできず、突然現れた女神に高校生活をめちゃくちゃにされそうです @bebea0830
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