全てを理解したトキは
鬱になった。
鬱気分である。
鬱である。
鬱であった。
さて、今の状態はどこだろうか。
そう思いながらも日々を過ごし、
そう思いながらも、日々をこなし、
そうやり過ごしながら息は絶え、
そう思いながらも地獄は続く。
そう、思っていた。
自分が異常だと気づいた日。
自分が鬱だと気づいた日。
世界は彩りで溢れていた。
【鬱】というものが病ならば、
【病】という異常ならば、
もしかして、世界は明るいのではないかと、思えたのだ。
自分を攻撃してくる人々、
自分をあざ笑ってくる人々、
それらが全て、【思い込み】だとしたら?
【悪】を作り上げたのが【自分】だとしたら?
鬱など無かったのだ。
悪など無かったのだ。
それらを気づいたトキには全てが色あせて終わっていて、
それらを享受し、理解したトキ、
ひとときの安らぎを知る。
そうして一日は終わる。
明日は鬱が来るだろうか。
それとも世界が来るだろうか。
その先にある未来は、私を待っているだろうか。
いやでもきっと。
そう思いながらも生きていく。
そう感じながらも生きていく。
生きている限り、未来は私を待っている。
みんなが私を待っている。
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