友達のためならなんでもする。一見して、友情の美しさを思わせる言葉ですが……。強く誰かに肩入れしようと思うと、その分、対極にいる人物からは距離を取らなければいけない。距離をとるためにどうするか。どういう手段を取るか。“彼女”の選択にゾッときます。是非ともご一読を!
想像上のカラスの目は、ぞっとするほど美しかった。 -本文より-ありふれた女子たちのお話かと思いきや加減を知らない女子の怖さが描かれた物語でした。みんな、好きな人のためにやってるだけ。でもそれが、月蝕のような光と深淵とを生み出しています。目を凝らしても、どうせ何も見えない深淵。その深淵を、その女の子たちは皆、持っているようです。やっぱり、人間がこわい。やっぱり、人間もこわい。