第8話 穂花 ②

あれは10年前の6月の夕方だった。

ワシはほぼ日課の駅前観察をしていてある女子高生に目がいった。

プクとした唇と優しそうな瞳、肩より少し長い髪、背は160センチくらいだろうか公立高校の夏の制服を着ている。芸能人で言えば石原さとみに似ていた。

誰かと待ち合わせだろうか壁にもたれてスマホをポチポチしていた。

当時はまだスマホとガラケーは混在で、使えるスマホと言えばiPhone4だったと思うが価格も高く、地方都市の高校生はまだ学校に携帯持ち込み禁止だった。


たまにスマホから目を離してキョロキョロしてまたスマホに目を落とす行為を繰り返いていた。大人の男が近づくと顔を上げ男が通り過ぎるとまたスマホに目をやった。

これはもしかして流行りの援交? イヤでもこんな可愛い子が? まあ違ったらその時はその時かと声をかけた。


「ごめん、待たせた?」


「えっと、〇〇さん?」


「そうだよ、よろしくね、じゃあとりあえず喉が渇いたからどこかに入ろうか」


そう言って彼女の手を引いて近くにある喫茶店に入った。

さっさとその場を離れたのは〇〇とかと鉢合わせになるとまずいと思ったからだ。


向かいあって席について飲み物を注文してじっくり彼女の顔を見た。

うん最上級だ、アイドルだって顔負けの容姿とボディ。


「〇〇さん変わっとるね、他の人はすぐホテルに行ってヤルだけなのに」


ワシは〇〇に成りすまして今からこの子を抱く。そう思うとあそこに血が充血していく。いや悪いな〇〇。


「いやあ、今日暑かったじゃろう? 喉も乾いてたし、この後しっかりヤル事はさせともらうよ。お小遣いも期待しててね」


「あはは、でもお金が目的じゃないので約束の2でええよ」


ほお、この前居酒屋で耳にしたのは3が普通と言っていたが金が目的じゃないとは?


じゃあそろそろ行こうかと伝票を持って立ち上がりお金を払って外に出た。

タクシーを止め住所を伝えホテルに向かった。

空室の適当な部屋を選んで鍵を取り部屋に向かう。



シャワーを薦めて手早く鞄の中を物色して学生証を見つけ写メする。

桝本穂花ますもとほのか、国際学院高校2年か。

さすがにスマホは持って行ったようだ。

さて本名でやってるわけないし、この子をなんて呼ぼうかなどと考えながらマジックミラーに写る穂花の裸体を眺める。このマジックミラーはスイッチで中が見えるようになる、思った以上のナイスバディだ。出るところは出てしっかりクビレもあった。

しばらくするとバスローブを纏ってシャワーから出たきた穂花を見て思わず抱きついた。



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75歳日課はナンパと性春 青春堂 @seishunndou

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