応援コメント

「第17話 複雑なオモテとウラ キーワード:表局域、裏局域、観光社会学」への応援コメント

  • ぐいぐい引き込まれて読み込んでいます。
    私は不真面目で不勉強な大学生活を産業社会学部という学部で過ごしましたが、大学時代に紫月さんの書くこの物語のような読み物に出会えなかったのが残念でなりません。

    私は現在、建築系の職人をやっておりまして、アメリカや中国に出張で数週間から数か月行った事があります。その時に感じたのが、観光ではない生活を外国で行うのは、観光よりも刺激に満ちているという事です。スーパーマーケットや小さなストアでの買い物、そこで買った食材の調理をする等の生活で、現地の人の日常が垣間見えるという体験はとても面白かった。
    そして、職人世界でのそういう出張の事を【旅仕事】なんていうのですが、今回のお話を読んで、「そうか。旅とはそもそもそういうものだったんだ」と感慨深く思いました。旅と観光は似て非なるものなんですね。

    そして、個人個人の振る舞いや見られている事への意識、そういったものが大局的に、旅が観光になったが如く変容していて、社会がより理性的であろうとすればするほど、本質が見えにくくなる……的なややこしさがある、と。

    理性的なんて言葉から遠い粗野な人々は嫌悪されたり忌避されたりしやすくなっている現代でありますが、自分がどう見られるかを深く意識しない人というのは、そういう目線で見ると分かりやすく好感が持てるみたいな逆転現象も起こり得そうで面白いですね。

    作者からの返信

    ハヤシダさまからこちらの作品にまでご感想を頂戴できて、心臓が跳ねました…!
    「ぐいぐい引き込まれて〜」「大学時代に〜」とのお言葉、日頃から「社会学の面白さをどうすればお伝えすることができるのか」「ちゃんと小説として成立しているのか、せっかくお目通しくださった方にお楽しみいただけているのか」など、不安だらけで執筆している身として、これ以上ないくらい嬉しいお褒めをありがとうございます。

    実はこの回、観光社会学を入れるかどうかで大変悩んだのですが(情報を詰め込み過ぎて読みづらくなるのでは、という懸念からです💦)、ハヤシダさまのご経験に基づく大変興味深いお話――「旅仕事」のお話――を拝聴することが叶い、除外しなくてよかったと、頂戴したコメントを何度も読み返しました。

    「社会がより理想的であろうとすればするほど〜」
    ご見識の深いご指摘にハッといたしました。もしかするとその「本質」も少しずつ変容していたり(しかもそのことに気が付けないくらい「理性的」な振る舞いがある種の「幻想」を作り上げているかもしれなくて)、そもそも「本質」とは何かといった新たな問いも出てくるかもしれませんね。

    「自分がどう見られるかと深く意識しない人というのは〜分かりやすく好感が〜」
    思わず何度も頷いてしまいました!自分を飾らない、裏表のない人である、など好意的に受け止められそうですよね^^

    貴重なお時間を割いてお目通しいただけるだけでも大変嬉しく有難いことなのですが、やはりご感想を頂戴できるのはまた格別の嬉しさがあります。

    本当にありがとうございました。


  •  観光の話が局域に着地したのに驚きました!
     擬似イベントですか、教科書の端っこに出てきて、これが入試に出たらイヤだな、と思う一方、結構納得がいったのですが、反論もあったのですか。

     ついこないだ、井の頭公園に行ったときに、かいぼりという都の池の保全の取り組みがあることを知りました。以前は外来種に荒らされていたのが、整然とした姿に変わったそうですね。ちょっとしみじみしました。これも観光の中で裏局域と表局域が交錯するものでしょうかね。

     あと僕、別の方に、オフレコのローテンションなサンシャイン池崎の方が、人間味あって好きだな、とも言いました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます^^
    まさに、“この概念がこんな話に繋がるんだ!”といった驚きや発見をお読みくださった方にご提供できればいいなぁと日頃から考えていただけに、驚いていただけたとうかがって報われるような思いです。

    井の頭公園の「かいぼり」ですか…興味深いお話をありがとうございます。
    そうですね、「自然再生の取り組み」や「生態系の維持」というところだけに注目したならば、それは「自然がいっぱい」であることが見所になっている公園にとって本来舞台裏的な取り組みなのかもしれませんが、かいぼりについてリーフレットが作成され、スケジュールも公開され、周知されている点などなどに目を向けると、“自然を維持すること”の舞台裏をあえて見せる(≒知っていただく)のは、じゅうぶんに表局域としての機能を果たしているといえるのではないかと思います。


    オフレコのローテンションなサンシャイン池崎さん、私も好きです!
    彼がお迎えされた元保護猫の風神ちゃん雷神ちゃんと一緒にいる時のご様子とか、すごくいいなぁなんて思うのですが、「空前絶後のぉぉぉ!」と言っている時の表舞台池崎さんも捨て難いです(笑)