箱庭の外の少年



―箱庭の外の少年―


 どれくらい時間を無駄にしていたのだろう。


 俺はその場所から、歩き出した。


 ようやく、そこから始まりだしたのだ。


 外を覗き見るのは、きっといいかげんに飽きるべきだった。


 きっと何も起こらない。

 それはただ観測するだけの行為なのだから。


 箱庭から出たとたん、小さな世界は崩れ落ちた。


 振り返ったりはしない。


 大切なものは全部この胸の中に持ってきているから。


 俺は目の前にいる少女の手を取って、問いかけた。


「お前は誰だ?」


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詩集 夢の中で会う星のような少女 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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