(四)-6(了)

 そういうと迷彩服は暗闇に消えていった。

「あなたたちは?」

スペシャルエアーサービスのロバート・コーンウェル中尉だ」

「SAS? イギリスの?」

「軍に拘束されているレオンスカヤ氏を救出にきた。我々は君たちの味方だ」

 男性は立ち上がった。周囲にいたと思われる隊員が二名やってきて、妹を担いで、斜面を進んで行った。

「彼女はまだ息はある。安心しろ」

 そう言われると、僕も安心したのだろう。ナイフで刺されたところが急に痛み出した。激痛だった。しかも刺された側の左肩が動かなかった。

 そして痛みは急に大きくなり、いや、むしろ激しくなった。そしてその直後、僕は意識を失った。


(了)

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左肩の刺し傷が痛む前【『絶望のツンドラ』シリーズ】 筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36 @HarunaTsukushi

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