(四)-5

 迷彩服を着た軍人が一人近づいてきて報告した。

「中尉、死体を確認しました。カヘティ軍ではありません」

「ロシアか」

「はい。しかも特殊部隊のアレクセイ・サハロフです」

「アレクセイ? サハロフ兄弟の拳銃使いの方か」

「はい。恐らくもう一人がナイフ使いの方かと」

「アンドレイはどうした」

「逃げたようです。相手は負傷しています。サドラー少尉の第二小隊が血痕を追っています」

「よし、第三小隊は周囲を警戒、第一小隊はけが人を収容して引き返す」

「了解」


(続く)

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