(四)-4

低い男性の声で「私たちは味方だ」と聞こえた。

「他に敵はいるか。君たちは誰か」

 僕は声の方を見た。迷彩服を着た軍人の男性がいた。軍人は双眼鏡タイプの暗視装置を上にずらして言った。

「大丈夫、彼女はまだ生きている。すぐに病院へ運ぼう。だがその前に安全を確保しなければならない。君の所属は? 敵は?」

「僕たちは反政府運動の学生グループで、七人で逃げていたんですが、敵に襲われて……。銃を持ったやつとナイフを使うやつでした。他にもいるかもしれません」


(続く)

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