世界観の設定が難しいかなと思いましたが、そんなことはありません。読んでいけば自然と世界が見えてきます。人工都市という作られた世界に現れたボトルシップ。このシチュエーションから始まる物語だけでワクワクします。それに加えて、ロマンチックなワードがたくさん。言葉のセンスがとても素敵なんです。ストーリーの軸となる主人公と未だ見ぬ男の子。ロマンの中で二人の出会いがどのように展開していくのか、ぜひ見てみませんか?そして私は強く切望します。続編をお願いします!
人工の大地が海を覆い隠す未来世界で、少女の拾ったボトルシップ。そこからつながる出会い、そして退屈な世界を壊す、未来への道標。退廃した未来風景を幻視しつつも、流れる物語は美しいです。短編としての物語は完結していますが、この物語の先の未来、彼女たちがどう生きて、どんな希望をつかみ取っていくのか、思いをはせずにはいられません。潮風にさびつきながらも磨かれるような、美しくさわやかな物語でした。ありがとうございます。
ある日、人工の揺蕩う大地に、瓶詰帆船が漂着する。見上げれば天井、目の前には暗い海、そしてガラクタばかりに囲まれる退屈な日々に、終止符を打つかのように現われた精巧な船。何のために作られ、ここに辿り着いたのか。船が連れてきたものと拓かれる視野を確かめてみて下さい。船と共に在れば、新大陸を見つけられるような気がする。純粋にこの話の続きが読みたいと思える作品でした。