第2話 心の世界?

どうやら眠ることはできたらしい。

とはいえ無の世界にいるのだから、時間が流れて何かが変わるわけでもないし、

特に意味はないけど。


いや、そういえばかすかに振動を感じる気がする。

一定のリズムで。

まるで心臓のように。


もしかして、私はまだ生きている?

誰かが死んだ私に気付き救急車を呼んでくれた?

そして、高度な医療技術が私を生き返らせた?


いや、きっとそんなことはない。

心臓が止まってから10分もすればもう助からないと聞くし、

偶然すぐに誰かが気付いて助かったなんてことは、まぁないと思う。

これまで生きてきて心臓の鼓動を感じない状態なんてなかったし、

きっと私の空想が心臓の鼓動らしきものを生み出しただけ。


空想で心臓を生み出せるなら、もしかしたら色々なものを生み出せるのかも。

慣れたら億万長者になって豪遊する体験をしたり、勇者になって魔王を倒したり。

もしそうなら無の世界も悪くはない。


そんなことを思っていると、

また眠くなってくる……


次は何を空想しよう……?

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