エピソード最終話:おあつらえ向きの結末。嗚呼!、N……、愛してる。(若干残酷描写あります)
車は4時間くらいして、ようやく山林のような所で止まった。
私は降ろされ、目隠しと手首を
真っ黒い視界……。
やはりどこかの
木々の葉が風にバサバサ揺れる音で分かる。あと、虫と鳩の鳴き声。
静寂に無駄にこだまする。
そびえ立つ無数の樹木。
ジメッと鼻をまさぐる
おそらく北関東あたりの山だろう。
息子が進む。
道の無い道を前へ進む。
私もチンピラ運転手に引っぱられて進む。
前へ前へ進む。
枯葉と湿気で腐ったドロ土の上を、ヒールをべちゃべちゃ言わせながら歩く。
とっておきのフェラガモのヒール。
痛い……。足首がもげる……。
いくら歩いても川がない……。
ひたすら土、土、土……。
木々の間の土をズンズン登っていく。
暗闇の中にボウボウと葉を揺らす風の音。
わずかに
不気味に暗い……。
そして不気味に静か……。
私と男二人は更に更に進む。
30分ぐらい歩き、やっと少し木々の間隔が
わずかな月明かりを頼りに前方を確認すると、二人のニッカポッカを着た男が、大きな大きな深い深い穴を掘っている。
どうやらここに入るのか……。
「何するの?」。
私は息子に聞く。
…………!。
ウッ!。重いッ!。
背中に、どううんッ、どううんッと石を投げつけられたような2発のデカい衝撃。
重いッ、そして、頭にビーンッと電気が走るような痛みが!。
なんだ……?。
パンツの方にサラサラ液体が……。
背中を触る……。
濡れてる……。
暗くてよく分からない。
その指を
鉄の味……。
血だッ。
私は刺されたんだ。
重い……。
みるみる熱くなる……。
顔が焼ける。
あの美しい顔が。
私の
パックリ半分視界が消える。
枯れ草に混じる小枝が眼球を突き刺した。
しかし、背中の重みと
ぼんやりしてくる……。
暗い……。
私の間違いは、明るく生きなかったことだ。
私には笑顔が無い。
美人だが可愛くない。
やはり、明るくないと、可愛くないと、人も金も寄ってこない。
明るかったら可愛かったら、この美貌がなくても上手くやってこれただろうな。
おそらく、案外、簡単にデイトナも手に入ったかもしれない。
そこをしくじった。
血で
記憶する力が消えていく……。
だんだん息が止まっていく……。
この
やっぱり最後はお前か。
N……。
許せねえ。
地獄に堕ちろ。
殺しておけばよかった。
息が尽きる。
(完)
パパ活小説@茶飯ですがなにか?。超美人なのに大人するかよ! 武田優菜 @deadpan
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