第26話 未来のために[中編]
さーて前回のおさらいサラッとやっちゃうよー
私(ラディア)はアメリアさんと一緒に白雪の国シュネーにある実家に入ります。そこでお母さんとアメリアさんの出会いを話します。お母さんたちは弟子を取るために聖戦の国クロニクルに行きました。そこで弟子を探しますが中々見つかりません。なので一旦諦めて宿屋に行こうとしたらまさかの泊まれないどころかこの国の兵士に捕まるという問題が発生。お母さん達は最終的に城まで連れて行かれ地下の牢屋に入れられました。
二十分ほどでしょうか牢屋で待っていると外がガヤガヤと騒がしくなりました。いったい何事でしょう?
「この部屋には三人しか囚人いないとはいえ王女様ここは危険です!」
そこには金髪の少女が立っていました。この国の王女様であるシャーロットさんです。かつてこの国の葬儀を行ってお世話になったことのある王女様です。私のことを姉様と呼ぶほど慕ってくれる方です。許可した覚えはありませんがね。
「お久しぶりです姉様。」
「・・・。」
「どうしたんですか?姉様。」
「あー、この国の宿屋に入ったら急に捕まったのでかなり衝撃を受けて頭がパニック状態に陥ってます。あと七年ぶりの再会が牢屋という状況にもです。」
「それはどうもすみません。でもこうでもしないと会いに来てくださらないじゃありませんか!」
「でも方法がかなり手荒じゃありませんか?私のことを指名手配して名誉棄損ですよ?」
「大丈夫ですよ。ただ軍に差し出せば報酬を与えると書いただけで何かの罪を負っているとは書いてありませんから。」
「でも指名手配されるのはいいことではないですし兵士さんまで動かすとなると大きな事件の犯人だと思われますって。」
「では明日の集会で取り消しておきますのでご安心ください。」
「長い期間この国に滞在しませんのでそこまでしなくとも大丈夫なので新聞か何かで伝えください。」
「参考にさせていただきまーす。では姉様御一行様はお疲れでしょうから部屋まで案内させていただきます。鍵を開けて差し上げてください。」
「よろしいのですか王女様?」
「この方々は大丈夫ですよ。現に武器を持っているのに反撃すらしませんでした。それとも私を疑うのですか?」
そう言えば私達ってただ牢屋に入れられただけで物を取られていないんですよね。手錠すらされていません。この国の兵士さんたちは警備甘すぎませんかね。私達はでなければ脱獄してますよ。大丈夫でしょうか?
「そんな滅相もございません。只今お開けします。」
見張りの兵士さんは牢屋の鍵を開けて私達を開放します。こんな横暴続けていたらいつかクーデターとかおきそうですね。この国の将来が心配になります。
「それでは私に続いてください。」
私たちはシャーロットさんにある程度広い大きなベットのある部屋を案内されました。もちろん男女別の二部屋ですよ。
「改めましてお久しぶりですシャーロットさん。相変わらず無茶苦茶なことやっているみたいですね。それと私のことを姉様と呼ぶのやめていただけませんかね。」
「それは出来ない相談ですね。私は姉様を尊敬しているんだから。」
敬愛してくださるのは嬉しいことではあるのですが、、、。姉様と呼ばれる私の気持ちにもなって欲しいですね。
「ご無沙汰しております。シャーロット王女様。」
「ノエラちゃんも久しぶりです。私に王女様なんてつけるだなんて相変わらずの真面目ちゃんですね。」
「それで私たちに嫌がらせ行為をした理由を教えてくださいませんか?」
私達が前この国を訪れたときは沢山の宿屋があったのに今はほとんど休業しています。七年前泊まった宿屋は残念ながらつぶれていましたが。お祭り準備で忙しいのはわかりますが泊まることができた宿屋も指名手配で連行されましたしね。絶対に国家権力が働いてますよね。
「えー何のことですか?」
シャーロットさんはしらばっくれました。逮捕までしたのに、、、。
「シャーロットさん?」
「だって姉様が中々この国に訪れてくれないんだもーん。」
「葬儀屋なんですからしょうがないじゃないですか。」
「え、先生に会うために宿屋を休業させたり変な制限をかけたんですか?」
「だって会いたかったから、、、。」
乙女ですか!私たちの髪と同じ色だからでなんですかね?・・・。関係ないですよね。
「いい迷惑でしたよ。会いに行かなかったのは悪いとは思っていますが。」
「そこら辺は勘弁してくださいよー。だから王室の最高級の部屋を用意したんですから。」
「それはありがたいですがそこまでの過程がね、、、。そもそもなんで私たちがこの国に来たことを知っているんですか?」
「私を誰だと思っているんですか?この国の王女ですよ。指名手配している姉様がこの国に来れば自動的に私に報告されます。」
「はぁーそういうことでしたか。それで今回の依頼について何か聞いてますか?」
「先生葬儀屋なのにプライバシーのこと聞いて大丈夫何ですか?」
ノエラさんが細く白い目をして私を見てきます。いやーそんな目で私を見ないでー。
「裏技ですよ。それよりもノエラさん、そんなにまじまじと見られると何だか恥ずかしいですね。私に惚れてしまいましたか?」
真面目なノエラさんを少しからかうことしました。まぁなんて意地悪な師匠なんでしょう。
「え、あ、え、そんなこと、、、ない、、、ですよ。」
ノエラさんが顔を真っ赤にして答えました。私の弟子はこの子だけでいいんじゃないか一瞬と思ってしまうほど可愛いですね。流石我が一番弟子です。
「姉様そろそろいいですか?」
とことんふざけているとシャーロットさんからも白い目で見られます。安息の地というものがあれば是非とも欲しいですね。
「あ、ごめんなさい葬儀の話でしたよね。」
「省かれるのはすっごく悲しいんです。葬儀ということは恐らく伯爵家ですね。」
シャーロットさんから今回に葬儀の依頼情報を教えていただきました。今回は弟子探しと葬儀の二つの理由でこの聖戦の国クロニクルに来たのです。おわかりでしょうがどちらかあやふやだったのでどちらもということをここに明記しましょう。
「なるほど。私達にそれを解決して欲しいということですね?」
「それはよくわかりません。そういえばこの国の伯爵けといえば裏で闇商人と繋がっているとかいないとか。」
「それは危険ですね。」
闇商人の組織がどこまで大きいかわかりませんから。流石に命はかけれませんから。
「姉様の葬儀屋としての力の見せ所ではありませんか?」
葬儀屋のことをなんだと思っているんでしょうね。
「そうですね。そこまで大きな組織ではなければいいんですが。」
「でも姉様は弟子を探しておられるんですよね。」
「え、そこは関係はあります?。」
「ありますよ!闇商人が扱っているのは子供ですから依頼を無事達成出来れば弟子を取ることができるかもしれませんよ?」
「そういうことならば真面目に考えねければなりませんね。それで組織の詳細とかはわかりますか?」
「残念ながらそこまでは、そもそも闇商人と繋がっているかどうかも風の噂ですし。」
「・・・。そうなんですか。」
これで伯爵家が白だったら申し訳ないですよね。
「どんなことをしてようが我が国の伯爵家なので無事葬儀を行って頂きたいのですがお願いできませんか?」
「受けますから安心してくださいよ。」
ただいくつか引っかかるところがありますが。
「姉様ならそう言ってもらえると思ってました。それではよろしくお願いいたします。」
お辞儀をしてこの部屋からシャーロットさんは出ていこうとしたので慌てて引き止めます。
「シャーロットさん、敵の情報を知っていることなんでもいいのでもう少し教えてくれませんか?」
闇商人だけでは情報では少なすぎて迂闊にうごけませんから。
「闇商人の裏側で子供の売買が行われるらしいのです。組織の人数は五人から十人です。」
「なる、、、ほど?。組織というのは闇商人側ですか?」
急に細かな情報が入って来たのでかなり驚いています。じゃあさっきは何で教えてくださらなかったんですかね?
「伯爵家です。取引相手はよくわからないです。場所はどの闇商人の組織なのかはまだ特定出来ていません。」
「そこまで教えていただければ大丈夫です。」
「お役に立てればよかったです。」
「それよりもなんで詳細を聞いた時は教えてくれなかったのに二回目は答えてくださったんですか?」
「それは気になることがあって思い出すのが遅れました。」
「あ、そうなんですか。」
「はい、あとこれ姉様のきっと役に立ちますよ、それではおやすみなさい。」
そう言いシャーロットさんはそれなり大きな箱を渡しました。
「シャーロットさんもおやすみなさい。」
シャーロットさんは私の隣のベットに眠ります。静かになってしまいましたね。気になる事というのは恐らくお父さんのことでしょう。私たちはある程度依頼内容を読んだ後話を整理して大きなベットに横になりゆっくりと眠りにつきます。久々に大きいベットで寝れました。流石王族のベット気持ちがいいですね。
朝になりました。王族の部屋の窓は大きいので朝日が眩しいです。カーテンがついているとはいえ薄いですから。私とノエラさんは両方物凄く朝に弱いのでお父さんが迎えに来るというのが朝のルーティンでした。
「お母さん、ノエラちゃん朝だよ。起きてー。」
お父さんがノックをしながら叫びます。天井が低いので音が響き渡ります。周りに誰もいないとはいえ恥ずかしいですね。
「・・・。お父さん。そこまで大きな声で言わなくてもいいんですよ?」
「何回も読んでいるのに全然起きないからさ。」
「それはすみません。ノエラさん起きてください朝ですよ。」
「それ僕の言ったセリフ、、、。」
「まあいいじゃないですか。細かいことを気にしてはいけませんよ。だからゆっくりマイペースで行きましょうよ。急いだって誰かを直ぐに救えるわけではありません。なので余裕を持って行かないと巻き込まれてしまいますよ。」
「それでどうだったの?」
「何がですか?」
「依頼のことだよ。一人で行くつもりなのかい?」
「バレちゃいましたか。」
「君は強いけどさ、心配しているんだよ。」
「では一緒に行きますか?」
「君とならどこにだって行くさ。」
「プロポーズですか?」
「この間したじゃないか、、、。」
「もう一回ぐらいしてくれてもいいんですよ?」
「仕事前にやめてよね。こんなに惚気ていて大丈夫かな?」
「マイペースなので大丈夫だと思いますよ。」
「はは、それもそっか。それじゃあ仕事に向かおうか。」
「それでは行きましょう。」
私達はリアンさんに乗り込みます。さてこの先は何があるのやら私はジープを走らせ伯爵家へと向かうのでした。
世界は死で溢れている In the textbook of life 相沢友達 @yuudati727
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