第25話 未来のために[前編]
相棒のジープを走らせて私とアメリアさんは家に着きました。私でも知らない抜け道を知ってるアメリアさんは結構長い間住んでいるんですね。お昼時だったので近くの出店で買い物をします。夏なので冷たいうどんを買いました。美味しそうですね。依頼の時以外は変なものばっかり食べてきたのでまともなものは大歓迎ですよ。
この国は白雪の国と言われてますが夏は雪は降ってません。むしろ暑い時もあります。でもまあ涼しい風がよく吹くので気温よりは暑くはないんですよ。
髪を纏めてネギを切ってそれを出店で買ったうどんにネギや山葵を盛り付けます。私は前世からこの組み合わせが好きですが皆さんはどうですか?
「ラディア出来た?」
「もうすぐなので待っていてください。」
「わかった、それでラディアの箸どれ?」
「赤色の箸です。」
「これね、ここに並べとくね。」
「ありがとうございます。出来ました。」
「山葵、、、。」
「お嫌いですか?」
「辛いのはあんまり好きじゃなくてね。」
「まあお好みでどうぞ。」
「わかったそれじゃあいただこうか!」
「それではいただきまーす。」
私たちはうどんをすすいます。つゆがうどんやねぎと絡み合っていてとても美味しいですね。山葵がいいアクセントになります。
さてうどんも無事食べ終わりゆっくりとコーヒーをすすりながらアメリアさんは語りだします。
「あなたのお母さんの遺言書にねこの家は私が使っていいって書いてあったんだよ。」
「それはさっきも聞きました。なんでなんですか?」
「私ね歴史の研究をしてるんだ。だからねゆっくりできるところが好きでね。それを先生は知っていたからここは静かでいいところだから譲ってくれたのさ。」
そういいアメリアさんは立上り引き出しから紙を取り出します。紛れもなくお母さんの字でした。お母さん私がここを出ていくこともいずれ帰ってくることもは何でもお見通しですね。
ちょっと嬉しかったです。久々にお母さんのに触れられた気がしましたから。
「そうなんですか。」
「なんでにやけてるの?」
おっと顔に出ていましたか。
「いえなんでもありません。」
流石お母さんのお弟子さん鋭いですね。それとも私がわかりやすいだけなんでしょうか?
「それじゃあ私と先生の話をしようか。これは先生の日記に書いてあった話なんだけどね。今から読み上げるから真面目に聞いてね。」
久しぶりのお母さんの話なのでとても嬉しいですね。
私たちはいつも通りジープを走らせいました。車内には私とお父さんとノエラさんの三人です。私たちは聖戦の国クロニクルに着きました。何故聖戦の国クロニクルにいるかというとこれには訳があって少し前葬儀屋連盟の支部を訪れた時のことです。親友である方に言われたことが原因でした。
「依頼を終わらせました。」
「お疲れ様です。確認しますね。」
「それにしても葬儀屋というのは何とも不思議な職業ですね。」
「そういうのはご主人にいってくださいよ。それはそうとしてそろそろ定住を考えたりはしないの?」
「え、もしかして引退しろってことですか?」
「違うますよー、定住しても葬儀屋として働けるし。そうじゃなくて夫婦なわけだし!」
「何を期待してるんですか?」
「はぁーまあいいですよ。確認終わりました。それと指名された依頼があるんだけど受ける?」
「依頼ですか。・・・。いただきましょう。」
終わったばかりなのに葬儀屋というのは不足しているのでしょうか?
「依頼内容聞かなくて大丈夫?聖戦の国クロニクルっていう国からの依頼だけど。」
「やっぱり葬儀屋ってやっぱり不思議な職業ですね。」
「どういうことですか?」
「こっちの話です。」
「気になりますね。それで受ける?」
「ちょっと読ませてください。・・・。受けましょう!」
「ありがとうございます。それにしても指名された依頼なんて珍しいよね。」
「なんでなんでしょうね。」
「紫のペンダントの葬儀屋は実績と信頼があるからかもね。」
「そうですね。では依頼もあることですし、そろそろお暇させていただきます。」
「ありがとうございます。では手続きはやっとくからいってらっしゃい。」
「そうですね。ではそろそろお暇させていただきます。」
「時には連絡してくださいね。いつでも待ってるから。」
「はいはい、わかりましたよ。」
私はゆっくりと歩き出します。あの子も変わりませんね。
「お待たせいたしました。それでは行きましょうか。」
「そうだね!そろそろ行こうか。」
「先生、待ちくたびれました。ジュース奢ってください。」
「ノエラさん子供じゃないんですから。」
「ははは、僕が奢ってあげようか?」
「え、いいんですか?」
「お父さん甘やかさないでくださいね。」
「あ、うん。」
「先生、、、怖いです。」
「お父さんちょっといいですか?」
「ん?どうしたの。」
「ノエラさんもだいぶ葬儀屋として成長しましたよね?」
「そうだね。まだまだ不安なところも多いけどさ。」
「そうですね。ですからそろそろ定住をしようかと思いまして。」
「ふーん。・・・。え、定住?」
「はい。定住です。」
「定住ってどこかに住むっていうあの定住?」
「だからそうだって言ってるじゃないですか。」
「あ、そうなんだ。」
「だからですね。あなたと一緒にあと一人か二人弟子を取りたいなと思いますがどうでしょう?」
「弟子かぁ。どうしようかな。」
「ノエラが将来独りにならないようにですよ。」
「君は相変わらず先を読んでるね。確かに僕が葬儀屋という証は残せてないからね。」
「せ、先生。私以外の弟子を取るってほんとですか?」
「ええ。嫌ですか?」
「いや、ではありません。でもやっていけるか不安です。」
「わかりました。ではあなたと私の出会った国から弟子を選びましょう。」
「お母さん、、、。それって意味ある?」
「私とノエラさんの出会ったということはそこでもまたいい出会いがあるかもだからですよ。それだったらどうですか?」
「まあ、それならいいかもね。」
「まあ、話し相手が欲しかったのでそれでいいですよ。」
「ふふふ、それでは行きましょうか。」
という感じで今に至ります。ということなので今絶賛弟子をお探し中ですが知らない子供に弟子にならない?なんて聞いたら変な人だと通報されてしまうかもしれないのでどうしようか悩んでおります。
「お母さんどうする?このままだと一生見つかんないよ?」
「そーですねえ。どうしましょうか?」
「先生、足が痛いです。」
「そうですね。人も増えてきましたし今日は早めに切り上げましょうか。」
「はーい。」
「宿屋を見つけないとね。」
「どこにしますか?」
周りを見渡しますが教会と住宅地しかありません。前来た宿屋がなくなっていました。困りました。今日は悩みまくりですね。
「そうだねー。ここら辺には何もないからどうしようか。」
「そうですね。手分けして探しましょうか。」
「そうだね、そうしようか。」
お父さんとノエラさんペアと私とリアンさんの二手に別れることにしました。
「どうしましょうかリアンさん?」
まあジープなので答えてはくれませんよね。でもなんとなくですが心強い存在ですねリアンさんは。
街に人が多いので宿屋の場所を聞きます。この国は親切な対応をしてくださる人が多く直ぐに宿屋は見つかりました。
「それにしてももうこんな季節ですか、、、。」
街はお祭りの準備でにぎわっています。飾りつけや屋台の準備などで大忙しです。一年に一度のこの国最大の祭りまで残り一週間といったカウントダウンポスターがいたる場所に貼ってあります。この国の祭りは一ヶ月よりも前から準備するみたいです。さて宿屋も無事見つかったことですし私はお父さんとノエラさのもとに向かいます。
「先生、結局宿屋見つかりませんでした。それどころか知らない人に連れ込まれそうになりました。」
「・・・。」
「お、お母さん怖いって、僕が止めたから大丈夫だよ。」
「・・・。人気者でよかったですね。」
今思えばそうですよね。知らない人に宿屋どこっていえばそうなりますよね。これは師匠である私の責任です。まあ何事もなかったですし次から気をつけましょう。
「それでお母さん見つかった?」
「そんなことよりノエラさんから目をはなしてませんよね?」
「もちろんだよ。じゃなきゃ助けられないし。それでどうだった?」
「収穫はありましたよ。それでは行きましょうか。」
「はう、、、。」
「ノエラちゃんはかなり疲れちゃってるね。」
「はい、疲れました。」
「じゃあ早く乗ってください。飛ばしますよ。」
「安全運転でね。」
「わかってますよ。」
私たちは教えてもらった宿屋へとジープを走らせます。早く行かないと部屋がなくなってしまいますからね。
宿屋についた私たちを待ち構えていたのは予想外のことでした。
「いらっしゃいま、、、。少々お待ちください。」
宿屋の従業員さんは少し驚いた後受付の下からの茶色の紙をだします。その後慌てたように奥の方に行ってしまいました。
「え、、、。前来たときはこんなに待たされませんでしたよね?」
「何かあったのかな?」
「どうなんでしょうかね。町の様子を見た感じはそんな様子はなかったですけど。」
しばらく待っていると鎧をきた兵士が数人現れました。武器まで持っています。何事ですか!
「おい、お前たち大人しく投降しろ!」
「え、、、。私たちですか?」
「お前たち以外いないだろ!こっちも手荒なことはしたくない。大人しくついてこい。」
「お母さん何をやらかしたの、、、。」
「何もやってない気がしますが、、、。」
私たちは宿屋を後にします。泊まる泊まらないじゃなく捕まるというよくわからない展開になってしましました。
「先生。どうしますか?」
「困りましたね。大人しくついていきましょう。」
「心当たりもないのに捕まるのかい?」
「いや、、、。多分大丈夫だと思いますよ。多分お城に連れていかれると思いますから。」
「多分、、、あの王女様の策略ですよね。」
「恐らくそうです。」
「なんであの王女様は本当に我儘な人ですね。」
「え?」
お父さんが言い放ちます。
「お城に行きましょう。元々行く予定でしたし。」
「へ?」
再びお父さんが言い放ちます。
「お城ですか、、、。寛げなさそうです。」
「野宿よりはましでしょう?」
「まあそうですね。」
「え、どういうこと!?」
お父さんだけパニック状態になっています。かわいそうですが説明をしている暇はなさそうです。
私達はリアンさんに乗って兵士さんたちについていきます。やはり行先はこの国のお城でした。そこで地下の牢屋の様なところに入れられました。この先本当に大丈夫ですかね、、、。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます