第7話 勇者は、武器も強そうです

「もうみんな早すぎでしょ、ほんと、もう困っちゃうよ!」

と、僕が腕を組みながら怒っていると、ユキが背中をさすってくれた。多分僕の怒りをしずめろということだろうな、優しい。

「まあまあ、私たちも、仲間はダメ、でしたが、せめて武器くらいは、凄いの買いましょうよ!もっとポジティブに考えましょ?ほら、仲間を手に入れられなかったおかげで凄い最強の武器が買えると思えば変わりますよ?」

と、なんだかお母さんのようなことを言う。

「まあ、そうだね、、じゃあ武器買いに行きますか!」

と、僕が言うと

「はい!」

と、ニコっと、笑顔で返してくれた。そんな彼女に、どこか懐かしさを感じていた。僕は頭を振って、その気持ちを追い払う。僕は、もう、勇者なんだ、、、魔王軍になる彼女のことは、、やはり、追い払えない、、


「な!もう安い武器しかない!?そ、それは、また勇者ですかな?」

と、僕が前回の事を振り返りながら言う。そして同時に疑いの目を向ける。

「は、はい、その、とうりです、、、今年は一段と勇者様が多くて、、去年の2倍準備していたのですが、、すいません、、」

と、僕に頭をペコペコ下げながら言ってくるおじさん。

「もうその言い訳、聞いたんだよねー、言い訳とかいいから、出してくれるかな?」

と、僕はニコニコ(怒)しながら言う。

「で、ですから、安いものしか、、」

と、言ってくるクソおじさ、、おじさん。

「まあ、いいでしょうでは、安い武器とは、どういう、、まさか棍棒とかではないでしょうね?まあ流石にないか」

と、僕はおじさんをじっと見つめながらまるで頭脳戦をするかのように言った。

「はぁ、そのまさかです、、、す、すいません!!!」

と、おじさんはまたペコペコしてくる。

「はぁ、まあいいや、じゃあ棍棒二つ下さい!」

と、僕が折れて言った。

「は、はい!ま、まいど!」

と、おじさんは僕からお金を受け取り棍棒を二つ渡してくる。

「あ、あとお客さん、サービスで釘何本かあげますね!これで多少は、攻撃力があがりますから、、多少ですけど、微量ですけど、、」

釘か、、「はぁ」僕はすごくすごくもうこの旅が心配になってきた。

「ありがとうございます」

と、僕達は言って、店を出た。

「はぁ、一応これで、、武器そろったね、、じゃあ僕達も出発する?」

僕は、行きたくなさげに言った。

「はい!武器も揃った事ですし行きましょう!」

と、ユキは、もう行く気満々だった。僕はそれについて行くしかなかった。


僕達は、街の出口に戻って来ていた。もう勇者達は出発したのか、もう誰もいない。

「じゃあ、私たちの冒険の一歩ですね!」

と、彼女がなんだか胸を張って言う。

「お、おう、装備が心もとないけど、一応これが始まりの一歩なんだよね!うん!じゃあ、一歩踏み出しますか!」

僕達は旅の第一歩を踏み出した。

そして、僕は足の感触に違和感を覚えた。

「ん?」




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魔王のなり損ない勇者は、一人でいい @Musutangusu

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