第1話 『転生:11』
夜になる。
俺は夕食、入浴を済ませ勉学に取り掛かっていた。
これでも進学校に在籍している訳で、勉強のルーティーンというのは出来上がっている。
その日の復習、予習を終わらせた後に受験勉強にシフトした。
一応、俺の志望大学は偏差値65付近の私立大学。
先生からはもう少し上を目指せと言われたが、俺はそれで良い。
”ピロリン”とスマホが鳴る。
どうやらLI○Eの様だ。
瀬奈『みんな、日曜暇なら試合見に来てねー!』
俺『それって、一般の生徒も見に行って良いのか?』
吏優『うん、大丈夫ー。瀬奈がやっぱ日曜は舞桜と会いたいからって五月蝿くて…』
聖汰『これって俺達は行くべきなのか悩ましいな笑』
大翔『俺は行くぜ!めいいっぱい応援する!』
瀬奈『うんうん。頑張るから期待しててね!』
俺『因みに、試合は何時からなんだ?』
吏優『10時から。ウチらの高校の体育館』
俺『了解』
魅來『ごめん、私その日は予定あって……』
瀬奈『そっかー、でも用事あるなら仕方無し!無理して来なくても大丈夫!』
うし、ここら辺で会話は切り上げるか。
俺は再び机に向かいペンを動かし始めた。
日曜。
午前9時。俺はメンバー達と学校前で集まる約束をしていた。
俺と瀬奈、続いて吏優や聖汰、大翔がやってくる。
「はぁ……はぁ……ギリギリ…間に合った……」
「大翔ギリギリじゃん。まぁ、間に合ってるから良いけど」
「そうだぞ大翔。常に余裕を持って行動しないと男が廃るぜ?」
「そうだな……わりぃ…へへ」
一種のメッセージを大翔に送ったが、どうやら伝わったらしいな。
「………ん、雨降ってきた」
瀬奈が空を見上げながら言った。
空はどんよりとしており、日差しも地上には届いていなかった。
「体育館、入ろっか」
体育館に入り、瀬奈と吏優は部活のメンバーと合流する為別れた。
俺達3人は上から観戦する。
それぞれのチームが軽いアップを済ませ、試合まで残り10分となった。
「………なぁ、舞桜。今聞くべき事じゃないってのは重々承知の上だが魅來の用事、何か知ってるか?」
「いや、何も知らないけど」
「……そっか。オレも知らないけどさ、なんだか金曜の魅來は顔色があまり良くなかったんだよ」
魅來にだって機嫌の善し悪しはあるだろう。
しかし、そんな事を聖汰は俺に言いたいのでは無い。
「………魅來の用事が、何か心配なのか?聖汰は」
「そうだな……。あまり良い用事では無いと思ってる」
曇り空、生憎の天気の中。
試合開始のホイッスルが鳴った。
魔王くんはリア充男子高校生になりました、まる さきのん @sakinon2004
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