story.3 お久しぶりです先輩
「これで授業を終わります。ありがとうございました。」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「は~授業終わった。」
「やっっと授業終わったね~!!!うち、数学ちょ~嫌いなんだよね~。数字とかいっぱいあって、訳わかんない!」
「私の授業が嫌い、ね~。」
「ひっ!あっ蒼先!!!」
背後から突然現れた蒼音にミサは小さな悲鳴をあげる。
「蒼先って呼ぶなって何度言えば分かるのよ。」
「ごめんって!蒼先!」
「しばくわよ。」
「蒼先…蒼音先生!生徒に「しばく」発言はよろしくないかと!解雇されてしまうかと!!」
「あら、アタシが解雇になる事なんて限りなく0に近いのは、貴方も知っていることでしょう?」
「あ~…そうでしたね…。」
蒼音が解雇にならない理由。それは簡単な話だった。蒼音は御蔵家の長女。つまり御蔵学園の学園長の孫であった。学園長は堅苦しく、厳しい人間だった。蒼音はそんな学園長に反抗できる指折り人間の一人だった。
「それより…しばくこと。脅し文句だけじゃなく現実にしてあげましょうか?」
「いや、結構です…サ、サヨ…助けて…。」
「いや70%貴方が悪いでしょう?」
サヨはミサを助けることもせず、むしろ心に傷を負わせた。
「2人して酷いっ!」
「そこの2人、仲良く喋ってるのは良いけど、お昼ご飯もちゃんと食べるのよ。」
「はーい!蒼先~。」
「サヨも。」
「はいはい、分かったわよ。蒼音」
サヨがしっしと追い払うと、蒼音は職員室の方へと消えて言っと。
「じゃあ、食べに行こ~」
「そうね。所で、優が何処に行ったか知ってるかしら?」
「知らな~い…って、なんで?」
「いや、一緒にご飯でもって思って…」
「やーん!サヨってば、優くんに惚れちゃった系?」
(…冗談にしても笑えないわね。)
「そんなんじゃないわよ。」
「あ、でも、さっき食堂に向かってた気が…」
「じゃあ、もし食堂に居たら、声をかけてみましょう。」
「おっけ~!」
「先輩…」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「ん~!おいひ~っ!」
「こら、飲み込んでから喋りなさい。わかったかしら?」
「はーい!…って、サヨお母さんみたいっ!」
お母さん…ね。皆のお母さんは、こんな感じだったのかしら。
「いや、これ本当に美味しいから!食べてみ?」
「いいえ。結構だわ…あ。」
「どうしたの?」
「居たのよ、優が。」
「マジで?声かけに行こ~!」
「ええ。」
そうして、ミサとサヨは優の方へ向かった。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「ちょっと、優…」
あれ、優に話かけようとしてる人が居るわね…あら、あれは…!!
「っ!これはまずいわね…ミサ、急ぐわよ!」
「サヨ?ちょ、ちょっと!待ってぇ~!」
サヨは、止まることなく、優の方へと走り出した。そして、優を見つけるなり、肩を叩いた。
「優!」
「…?あ~。サヨ?さんだっけ。何?」
「優、こっち来て。」
(早くしないと…あの子が来るわね。)
「ちょっとサヨ先輩~せっかく例の転校生さんに話かけようとしたのに~!」
「華…!」
(…少し遅かったようね。)
「何何?サヨ、どうしたの~?」
「あ、ミサちゃん先輩!ご無沙汰してまーす!」
「あ~!華ちゃーん!久しぶりー!元気にしてた~?」
「私は元気ですよ!ミサちゃん先輩は元気にしてましたー?ヨウスタの更新、減ってたじゃないですか~!」
「投稿するネタが無くてね~!そうだ、久しぶりに会ったし、写真でも撮らない?」
「良いですね!撮りましょ!」
2人が話してる間に…!
「優、良かったら一緒にご飯でもどう?」
「え?なんで?」
なんでって…貴方に危険が及びそうだからよ!
「嫌かしら?」
「別に嫌じゃないけど…」
「じゃあこっちに来なさい、行きましょう?」
「え?ちょっと!サヨ~?」
「サヨ先輩、ダメですよ~まだ連れてっちゃ。私まだ例の転校生さんと話してな…っ!ゆ、優…君?」
ちっ…気づいたか…!!
「優くん!!!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
「は…?なんで俺の名前知ってるの君。」
「えっ!だって優くん…覚えてるないの!?私だよ!彼岸華(ひぎしはな)!昔一緒に…」
「華!やめなさい。」
「サヨ先輩!でも…!」
「止めて…優は…覚えてないのよ。」
そう…何もかも…
「何?意味わかんねないんだけど。華?ちゃんだっけ?君、なんで俺の名前知ってるの?」
「…えっと…ですね…」
「貴方の噂、流れてるのよ。だから、それ経由で知ったのだと思うわ。」
「あ~…そうです!いや~急にすみませんでした!優先輩!」
「え?そうなの?自分の噂流れてるっていう衝撃の事実知ったけど…いいや。」
「これを気に、仲良くなりましょ!ね、優先輩!」
「う~ん、まぁいいや。よろしくね、華ちゃん。」
「はい!優先輩!」
この2人を長く居させちゃいけないわね…。
「ミサ、優、行こ。」
「うん!」
「えぇ~…」
サヨさんと不愉快な仲間達 @Sakemuru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。サヨさんと不愉快な仲間達の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます