story.3 お久しぶりです先輩

「これで授業を終わります。ありがとうございました。」


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「は~授業終わった。」

「やっっと授業終わったね~!!!うち、数学ちょ~嫌いなんだよね~。数字とかいっぱいあって、訳わかんない!」

「私の授業が嫌い、ね~。」

「ひっ!あっ蒼先!!!」

背後から突然現れた蒼音にミサは小さな悲鳴をあげる。

「蒼先って呼ぶなって何度言えば分かるのよ。」

「ごめんって!蒼先!」

「しばくわよ。」

「蒼先…蒼音先生!生徒に「しばく」発言はよろしくないかと!解雇されてしまうかと!!」

「あら、アタシが解雇になる事なんて限りなく0に近いのは、貴方も知っていることでしょう?」

「あ~…そうでしたね…。」

蒼音が解雇にならない理由。それは簡単な話だった。蒼音は御蔵家の長女。つまり御蔵学園の学園長の孫であった。学園長は堅苦しく、厳しい人間だった。蒼音はそんな学園長に反抗できる指折り人間の一人だった。

「それより…しばくこと。脅し文句だけじゃなく現実にしてあげましょうか?」

「いや、結構です…サ、サヨ…助けて…。」

「いや70%貴方が悪いでしょう?」

サヨはミサを助けることもせず、むしろ心に傷を負わせた。

「2人して酷いっ!」

「そこの2人、仲良く喋ってるのは良いけど、お昼ご飯もちゃんと食べるのよ。」

「はーい!蒼先~。」

「サヨも。」

「はいはい、分かったわよ。蒼音」

サヨがしっしと追い払うと、蒼音は職員室の方へと消えて言っと。

「じゃあ、食べに行こ~」

「そうね。所で、優が何処に行ったか知ってるかしら?」

「知らな~い…って、なんで?」

「いや、一緒にご飯でもって思って…」

「やーん!サヨってば、優くんに惚れちゃった系?」

(…冗談にしても笑えないわね。)

「そんなんじゃないわよ。」

「あ、でも、さっき食堂に向かってた気が…」

「じゃあ、もし食堂に居たら、声をかけてみましょう。」

「おっけ~!」



「先輩…」



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「ん~!おいひ~っ!」

「こら、飲み込んでから喋りなさい。わかったかしら?」

「はーい!…って、サヨお母さんみたいっ!」

お母さん…ね。皆のお母さんは、こんな感じだったのかしら。

「いや、これ本当に美味しいから!食べてみ?」

「いいえ。結構だわ…あ。」

「どうしたの?」

「居たのよ、優が。」

「マジで?声かけに行こ~!」

「ええ。」

そうして、ミサとサヨは優の方へ向かった。


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「ちょっと、優…」

あれ、優に話かけようとしてる人が居るわね…あら、あれは…!!

「っ!これはまずいわね…ミサ、急ぐわよ!」

「サヨ?ちょ、ちょっと!待ってぇ~!」

サヨは、止まることなく、優の方へと走り出した。そして、優を見つけるなり、肩を叩いた。

「優!」

「…?あ~。サヨ?さんだっけ。何?」

「優、こっち来て。」

(早くしないと…あの子が来るわね。)

「ちょっとサヨ先輩~せっかく例の転校生さんに話かけようとしたのに~!」

「華…!」

(…少し遅かったようね。)

「何何?サヨ、どうしたの~?」

「あ、ミサちゃん先輩!ご無沙汰してまーす!」

「あ~!華ちゃーん!久しぶりー!元気にしてた~?」

「私は元気ですよ!ミサちゃん先輩は元気にしてましたー?ヨウスタの更新、減ってたじゃないですか~!」

「投稿するネタが無くてね~!そうだ、久しぶりに会ったし、写真でも撮らない?」

「良いですね!撮りましょ!」

2人が話してる間に…!

「優、良かったら一緒にご飯でもどう?」

「え?なんで?」

なんでって…貴方に危険が及びそうだからよ!

「嫌かしら?」

「別に嫌じゃないけど…」

「じゃあこっちに来なさい、行きましょう?」

「え?ちょっと!サヨ~?」

「サヨ先輩、ダメですよ~まだ連れてっちゃ。私まだ例の転校生さんと話してな…っ!ゆ、優…君?」

ちっ…気づいたか…!!

「優くん!!!」


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「は…?なんで俺の名前知ってるの君。」

「えっ!だって優くん…覚えてるないの!?私だよ!彼岸華(ひぎしはな)!昔一緒に…」

「華!やめなさい。」

「サヨ先輩!でも…!」

「止めて…優は…覚えてないのよ。」

そう…何もかも…

「何?意味わかんねないんだけど。華?ちゃんだっけ?君、なんで俺の名前知ってるの?」

「…えっと…ですね…」

「貴方の噂、流れてるのよ。だから、それ経由で知ったのだと思うわ。」

「あ~…そうです!いや~急にすみませんでした!優先輩!」

「え?そうなの?自分の噂流れてるっていう衝撃の事実知ったけど…いいや。」

「これを気に、仲良くなりましょ!ね、優先輩!」

「う~ん、まぁいいや。よろしくね、華ちゃん。」

「はい!優先輩!」

この2人を長く居させちゃいけないわね…。

「ミサ、優、行こ。」

「うん!」

「えぇ~…」


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サヨさんと不愉快な仲間達 @Sakemuru

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