東西アメリカ資源供与要請 10
17.
2229年12月5日(土) PM2:30 (ロサンゼルス時間)
私達は管理者をホワイトハウスに残し、アルファ・ケンタウリの元に戻ってきた。
ナオミを除いてみんな顔色がよくない。
正直な所、車に乗るまでが笑顔でいられる限界点だった。
出発前にはなんだかんだケチをつけていたこの車だが、今となってはこの外から中が見えない装甲板に何度も助けられている。
本来の意味では全く役には立ってはいないのだが、どんな形であれ役に立ったのだ。車も本望だろう。
「みんなご苦労様、口直しにフードプリンタで何か作ろうか?」
「白いご飯に、おみそ汁…あと卵焼き…」
「俺もだ、ついでになにか肉をつけてくれ…」
「俺もマックスと同じで頼む。」
未だにあの丼の味が口の中に残っている。なんなんだあの料理は?アメリカ国民はみんなあんなものを食べているのか?いや…大統領の焼く肉があれなのだ…むしろもっと酷いかもしれない。
「そういやお嬢、一つだけ面白い事を発見したぞ。」
「なに?」
「あの丼だけはフードプリンターで作ったやつの方がおいしかった。」
18.
2229年12月9日(水) PM21:00 (ワシントンD.C時間)
オバラ親子を骨抜きにした私達は次の段階に進みます。
予定通り大統領の傍で勉強したいという理由で管理者さんはつねに大統領の近く、私のお人形は毎晩のようにバレルJrの元に通っております。
今となっては管理者さんは大統領の情婦、私はバレルJrのコールガールなんて陰口を叩かれています。
今日はバレルJrよりわたくしがお願いしていた戦士4人の準備がそろったという事で、ホワイトハウスへ向かっています。
ホワイトハウスの裏口には既にバレルJrと彼が集めた戦士4人が待っておりました。
『ごきげんようバリー、約束通り戦士をそろえてくれたのね。うれしいわ』
『もちろんさエーリカ、彼らは東アメリカのために命をささげる事を約束してくれた。もちろんクロームも最新式さ!』
『素晴らしいわバリー、愛してるわ』
わたくしのセリフのことながら白々しい事…
『な、なぁ…バリー、君の事を疑う訳じゃないけれど話は本当なんだろうね…もちろん東アメリカ勝利のために訓練には打ち込むけど…報酬の方は…』
どうやらあまりにもできすぎた話に信じられないお方がいるようですわね…
『もちろん報酬は支払いますわ…これはほんのわずかながらの前払いですわ。』
着込んでいたコートを開き、大事なところが一切隠れていない扇情的な下着姿を彼らに見せつけてあげます。』
あら…皆さんの下半身がみんなバレルJrと同じく馬並だけれど、彼は下半身の大きさで戦士を選んだのでしょうか?
『エーリカ、やめてくれ、君の扇情的な姿を他の奴らに見せたくない。』
『あら、ごめんあそばせ。』
『もちろん報酬はお約束します…ただ訓練場所は極秘ですの。ですのでしばらくお休みになってもらいますわ。』
わたくしは準備していた睡眠薬を彼らに渡します。
効果はほぼ24時間、明日の朝出発すれば彼らが起きる前に目的地には到着するでしょう。
既に眠った戦士達はユーリとホワイトハウスのSPの手で車に詰め込まれます。
「それではユーリさん、明日の7時に迎えに来てくださる?」
「かしこまりました、お嬢様。」
『明日からはしばらく会えませんし、今日はいつもより強く抱いてくださる?バリー。』
『もちろんさ、エーリカ、朝まで愛し合おう。』
『ところで一つだけ気になったことがあるのですけどいいかしら?』
『彼らの下半身、皆さんバリーに負けないぐらい御立派でしたけど、戦士は下半身の大きさで決めましたの?』
『あれはクロームさ、もちろん僕のは天然物だけどね』
ほんと殿方って方はつくづく気になされますのね…
19.
2229年12月10日(木) PM6:00 (エドモントン時間)
カナダという国はあまりにも国土が広すぎて、地名すらついていない場所の方がおおいくらいです。
私達はそんな名もない場所に設営された工作拠点に到着しました。
予定通り訓練施設、訓練を担当するマリオネット、彼らの宿舎に情婦たち。
すべて予定通り搬入されています。
『みなさん、そろそろ起きてください。』
戦士さん達を外に放り出してから、覚醒ガスを嗅がせて起床を促します。
『ここが来る日まであなた達が訓練するキャンプ地、そして楽園ですわ。』
まずは訓練所の方から見せて回ります。
『ここがあなた方を一流の戦士に仕立て上げる訓練所です。そしてこの方があなた方の訓練教官となるハードマン軍曹ですわ』
『よく来たな蛆虫ども!俺と喋る時は前と後ろにサーをつけろ!』
『『『『サーイェッサー』』』』
鞭だけ見せるとやっぱり顔に後悔の色が見えますわね…
『訓練は1日4時間、7日に一度は休養日です。次はあなた方の宿舎にご案内しますわね』
わたくしは彼らを連れ宿舎内に入ります。
あらあらさっきの怯えた顔と違って皆さん獣の顔になっていますわね。
『な…なぁ…本当にこの子たちみんな俺達の好きにしていいのか?』
『ええ、もちろん、東アメリカ勝利のために命を捧げてくださる皆様への正当な対価ですわ、そうそう、お食事や、お酒、クスリ等、欲しいものがございましたらなんでもあそこの電話を使って注文してください。すぐにお持ちいたしますわ。』
もうみなさん、我慢できないって様子ですわね。
『それでは皆様ごゆっくり、私はこれで失礼しますわ。』
ドアを閉めると同時に皆さん欲望を解放なされたのか、宿舎からは声が漏れてますわね。
まぁ、周辺30kmは何もない原野、いくら声が漏れたところでもんだいありませんわ。
さてわたくしも三日ほどカナダ政府との食糧支援協定という名目の休養日といたしましょう。
20.
2229年12月13日(日) PM8:00 (ロサンゼルス時間)
アパートで待機していた兵士たちに睡眠薬を飲ませ、連れてきた兵士たちが私達の船の前に転がされていた。
キャビンには入れたくないので車両の格納庫の脇に転がしておく。
大統領の傍で勉強するという名目で残してきた管理者を除いて、私達はカナダに向かって出発した。
21.
2229年12月14日(日) AM8:00 (エドモントン時間)
連れてきた兵士たちに覚醒ガスを嗅がせ目を覚まさせる。
『おはよう、兵士諸君、ここがあなた達を一流の兵士に仕立て上げる訓練所、そして天国。』
最初に訓練所の方を見せる。
『ここがあなた達を一流の兵士に育て上げる訓練所。そして彼があなた達の訓練教官となるハードマン軍曹。』
『よく来たな蛆虫ども!俺と喋る時は前と後ろにサーをつけろ!』
『『『『サーイェッサー』』』』
愛国心の強い人たちだけど、やっぱり鞭だけでは駄目なようだ。
『次はあなた達の宿舎に案内する。』
宿舎に入るなり、彼らの目の色が変わる。
それはそうだ、Mogファクトリー製のマリオネットが総勢16名、一人当たり4人のマリオネットが割り当てられる。そういやイスラム教徒だと72人の処女だったけ?
さすがにそんな数を準備するのは骨だ、ここは4人で我慢してもらおう。
『訓練は一日4時間、7日に一度は休養日。食べ物やお酒、クスリ等ほしいものがあればあそこの電話を使えば持ってきてくれる。それじゃこれで私は失礼する。』
彼らは私がドアを閉めたとたんにマリオネット達に飛びついたようだ。
中から声が漏れている。
どちらにしろ半径30kmは何もない土地だ。何も問題はない。
仕事を終えた私はカナダ政府との食糧支援協定という名目の休日のため、バンクーバーへ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます