人生最後の苦しみ

 人生において、最後の苦しみとなるのが、『死』だ。


 人は誰でも最後に死を迎えるが、何が苦しいかというと、愛する人と「せーの」で一緒に死ねないことだ。

 多くの場合はどちらかが残る。


 残して死んでしまった方も苦しみ、残された方も苦しい。

 この最後の苦しみは、誰にもどうしようもできないのである。


 人生は思うようにならないものだと、初めから決まっているそうだ。

 だから、『人生四苦八苦』という。



 しかし、あまり苦しまずに生きる方法もある。


 それは、『流れに身を任せること』だ。


 思うようにならないなら、思うようにならないなりに、その方向へ逆らうことなく体を預けることによって、案外楽に生きることができる。

 川の流れに身を任せ、そのまま素直に流されていれば、周りの景色も変わり、面白い人生となる。


 ところが逆に、思い通りにしようとして流れに逆らうと、鮭の産卵状態となる。


 進んでも進んでも、実はその場所から動いておらず、景色も変わらずにつまらない人生となる。


 このことを知ってから、多少辛いことがあっても、流れに身を任せていると楽しくなると考えることができるようになった。


『大丈夫、なんとかなる』。

 これは、一休さんが弟子に残したメモだそうだ。

 深く考えすぎなくても、なにごともなんとかなるのかもしれない。


 生きることが苦しいのは当たり前なのだ。

 

 今、生きることに対して苦しいと思っている人は、それは特別なことではない。

 当たり前のことなのだ。


 だって、人間は生まれることも『苦しみ』なのだから。


 生きることが苦しいと思う人は、一度体の力を抜いて、流れに身を任せてみてほしいと思う。

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【エッセイ】生老病死を考える 幻中六花 @mamonaka_locca

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