【エッセイ】生老病死を考える
幻中六花
生老病死とは
<出典……三省堂 新明解四字熟語辞典>
人は生まれながらにして、4つの苦しみを持ち合わせているという。
親を選べないという観点から、『生まれること』も苦しみだといい、他の3つは文字の通りだ。
また、ここでいう『苦しみ』というのは、『自分の思い通りにならないこと』という意味でもあり、自分が生まれたくて生まれたわけでもないし、老いることも、病気になることも、死ぬことも自分の意思ではどうにもならないという意味で、『苦しみ』と表現しているのだそう。
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今回わけあって、私は最近自分の生まれた意味を考える機会があった。
考えている時はとても辛かった。
なぜなら、私は一度両親に勘当され、母親には
「あんたを生んだことを後悔している」
と言われたことがあるからだ。
私はこの世に生まれてくるべき人間だったのだろうか。
私が生まれた時は、間違いなく両親もそのまた両親も喜んでくれたはずなのに、どうして後悔させてしまったのだろうか。
──その答えは、すべて自分の行いの中にあった。
私は今までわがままにわがままを重ねて生きてきて、それを甘えだと気付かずに、少しでも思い通りにならないと悲しみ、どうにか思い通りになるようにずるく生きてきた。
思い通りにならないことを兄弟のせいにして、自分だけ両親に愛されようとした結果、家族はバラバラになった。
家族が全員バラバラになったというよりは、私だけ蚊帳の外になってしまった。
若いころから恋愛依存症の傾向にあった私は、恋愛がうまくいかないことも人のせいにして生きてきた。
やっと成功した3回目の結婚で、父からもらった苗字をやっと手放すことができたのである。
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