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2021年6月19日 13:52
無職は、旧き戦友でもある「岩の勇者」と、会うのはどことなく忌んでいた。それは、無職が過去に遭った“例の一件”を知るのもそうだったし、どこかお互い気まずい雰囲気になるのが耐えられなかったからだ。ただ、今現在に限って言えば、少女勇者と岩の勇者を「一緒にしてはいけない」と言う思いからだった。果たしてそれは的中してしまう、この町の「祭」の最中に、いや前後に不可解な事件……「勇者失踪」などという一大事と、ゴーレム襲撃はここに一本の線で繋がった。そう、総ては岩の勇者が裏で糸を引いていた事。だがしかし納得がいかない。少女勇者よりはるか以前に「勇者」としての資質に目覚め、無職が現役の頃にも活躍していたはずの一人者が。ただ―――言う、岩の勇者は。『これは正義の執行だ』―――と。「正義」……誰の?何のための正義なのか。そして岩の勇者を襲った“絶望”とは?
無職は、旧き戦友でもある「岩の勇者」と、会うのはどことなく忌んでいた。
それは、無職が過去に遭った“例の一件”を知るのもそうだったし、どこかお互い気まずい雰囲気になるのが耐えられなかったからだ。
ただ、今現在に限って言えば、少女勇者と岩の勇者を「一緒にしてはいけない」と言う思いからだった。
果たしてそれは的中してしまう、この町の「祭」の最中に、いや前後に不可解な事件……「勇者失踪」などという一大事と、ゴーレム襲撃はここに一本の線で繋がった。
そう、総ては岩の勇者が裏で糸を引いていた事。
だがしかし納得がいかない。
少女勇者よりはるか以前に「勇者」としての資質に目覚め、無職が現役の頃にも活躍していたはずの一人者が。
ただ―――言う、岩の勇者は。
『これは正義の執行だ』―――と。
「正義」……誰の?何のための正義なのか。
そして岩の勇者を襲った“絶望”とは?