第14話 『ひかり』

 その日は、突然訪れた。


昼間、大学にいた時、桂吾のオーラを感じた。

すごく、うっすら。

遠い。

すごく遠いけど、この日本に帰ってきたことは確信した。

今日、スタジオに、俺たちの前に現れるだろうか。

会いたいと強く願った。



 夜、スタジオには理彩子も来ていた。

俺は、落ち着かず、立っては座り、座っては立ってを、繰り返していた。


来た!!


ドアの向こうに桂吾がいるのがわかった。


ス~~!!ハ~~!!

桂吾が大きく深呼吸した。

俺も、一緒に深呼吸した。


「たっだいまーー!!」

桂吾は、元気に入ってきた。


入り口近くにいた理彩子が抱きついている。

俺は、ちょっと雑にやっちゃったけど、理彩子を引き離して桂吾を抱きしめた。


「桂吾、会いたかった」

桂吾の耳元で言った。


抱きしめたのは、初めて。

ある程度、一気によむことができた。

桂吾は、ここから逃げ出して、ただ腐っていたワケじゃなかった。

長いようで短い、1年弱の間に、こんなに、こんなにも!


すげー!!

なんで、エレン・レヴァントとメシ食ってんの?

なんで、oneのライブに出てんだよ!!

俺の、俺たちの本流は、更にデカい流れになって帰ってきた。

よかった。

本当に、よかった。


 

 桂吾が帰ってきて、あんなにバラバラだった俺たちも、何事もなかったかのように、また元に戻った。

桂吾は、俺たちが膝を抱えて途方に暮れていたなんて思いもしないだろう。

まぁ、それは内緒でいいかな。


 


 そして、

 あとは、割愛。

今、これから、武道館でのライブ。

いよいよだ。

父さんも兄さんも、遠くからでもみれるだろうから、説明もしないけど。

母さんが心配してるみたいだから、大丈夫!って伝えといて!


 そうだ。1つ言っておかなきゃ!

父さん!

俺は、本流じゃなかったよ。この力は、大きな本流に引き寄せられる為のものだった。

まだ、桂吾を紹介してないけどさ、すごいだろ!

格が違うんだよ!

ほんとの本流って、マジで別格だよ。

俺なんて、桂吾に比べたら、人としてちっちゃいよ。

 

兄さん!

昔、俺をかわいそうだって言ったよね。

違うんだ、兄さん。

俺は、この力を、本流の為に使えることが嬉しいんだよ!

好きなことを好きにさせてもらえて、感謝している。

一子相伝の力なんか、俺には必要ないんだ。

俺は今、心を許しあえる仲間たちと、一緒に歩めることを幸せだと思っているよ。本流とともにある。

だから、みていて欲しい。

って、みえちゃってると思うけど、まだまだすっげービッグになっちゃうから!




 そして、桂吾

おまえは気づいてないんだな。

おまえって、すごいんだぜ!

俺には、ちょっと先の未来がみえてるんだけど。

桂吾、

言霊ってあるんだよ。


oneが来日して、一緒にライブに出させてもらってる。

俺、エレン・レヴァントの大ファンなんだから!超楽しみ!


俺と2人で、セミヌードの写真集出したり。

これ、ヤバくね?かなりエロいんだけど。

2人でノリノリでやってるけど、誰 需要だよ!


瞬と桂吾で、バイオリンとピアノのコンサートしたり。

クラッシックの。

これ、すごくいいな!


なんか、エジプトで写真集の撮影してるよ!

これは、桂吾1人だけなのかな?

なんでエジプト?


桂吾が願って、声に出せば、大抵のことは実現するよ。

彼女のことを欲しいって、声に出していたら、

手に入っていたのか……

彼女も本流だから、それは わかんないけど。


桂吾、まだまだ長い付き合いになりそうだ。

今度はもう、俺たちを切り離さないでくれよ!

もう、俺たちは1つなんだから。

これから先、楽しいことがいっぱいだ!

って、それは桂吾には言わないけどな。

最初からわかってる未来なんて、つまらないだろ!

でっかい人生!一緒に楽しもうぜ!


あと、

桂吾!大好きだ!!

これも、本人には言わないけどな。

あはははは!



           To be continued ??






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龍聖 ーfrom Realー 彼方希弓 @kiyumikanata

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