『背中を預けるには』の甘やかな世界の一端

『背中を預けるには』はかなりの長編でありながらも、登場人物それぞれが大変魅力的であり、秘された物語には胸が熱くなるような世界観があり、1つ1つ読み解いて行くごとに、目頭が熱くなる素晴らしい作品でした。ファンタジー作品であるものの、想像力を掻き立てるような美しい描写が多く、うっとりとその世界に浸ることができます。悲しすぎて滂沱の涙を禁ぜないシーンもありましたが、読み終えた時には交響曲を聞き終えた時のような満足感が心に広がりました。
今回完結記念のショートストーリーを拝見し、登場人物の日常に、また温かな気持ちになりました。日々そこに息づくキャラクターが新しい物語を紡いでいるような、またそれを小綱先生がいつか作品にして下さるのではないだろうかと、心待ちにする日々です。スピンオフや番外編…まだまだここには素敵なお話がたくさん詰まっているように感じています。その後のお話、いつか拝読できたら嬉しいです。