10 お猫様連行作戦
「ごめんね、
全然持ち上がらないんですけど!?
「なにこのネコォォォォ! 重たすぎでしょ! ネコの体重じゃないんですけど!」
こんなにわたしがハアハアいって動かそうとしてるのに、お
力ずくで
「エサで
でも、明日もクロツキが
「う~~~ん」
これはしっかり
次の日、学校が終わると駅前のショッピングモール内のペットショップで、一番高級なカンヅメと細長いパウチに入ったおやつを買ってきた。本当はガチャガチャをやろうと思って
お
チャンスを
開店してすぐの午後二時ごろは
お客さんがいない時も、クロツキは
ネコって一日二十時間くらい寝るんじゃなかったっけ? そこは人間化してるのかな?
お
「だからあんなに太って重たいんだよ」
ボソッと言ったわたしの
一週間がたっても、この間みたいにお店の中でわたしとお猫様が二人きりになるチャンスはない。
「あー、やっぱ
ちょうど読書していた
「カフェロシアンブルーです。はい、店長は
思わず手が止まる。今、コタツ、事故って聞こえたけど…
「わかりました、すぐ向かいます」
「どうしたの?」
「コタツが
「あ、うん、わかった。
「ああ、たのむ。じゃあな」
フサフサのしっぽを
お店の中にはわたしとお
「…チャンスじゃん」
今やるしかないでしょう!
わたしは
もう一回。ぺろっ。起きてくれないかなぁ。ぺろん。なんで一つも動かないかなぁ。ぺろ。
「もーっ! このズボラネコ!」
こうなったら
わたしはわざと少しだけ
「ほぅら、一番高いやつだよ~おいしいよ~食べたいよね~?」
真ん丸の目でこっちを見ている。お猫様は三毛ネコで、顔の
指でつまんで、一かけずつカウンターの上に置いていく。するとお猫様がのそのそと立ち上がり、真ん丸な体をぷりぷりさせながら、ドッスン、ドッスーンとゆーっくり
カウンターに
「そうそう、いい子だね、おいしいよね。じっとしててね…!」
だんだん
手さげ
バサッッ!!
「やったぁ!
「これでネコにされなくて
まだドキドキが止まらない。
「そうだ、ゴメンね。これ食べてていいからね」
しっかりと手さげの持ち手を
「重たああああい!」
「うんぬぬ
持ち手が
あと少しだ。お
公園には、何人かの男子が集まってゲームをしていた。その中の一人、よく知ってるやつがわたしに気づく。
げっ! こっち来ないでよ!
「
関わりたくないからさっさと
「今急いでるの。見ればわかるでしょ?」
「わかんねー。ねー何それ何それ」
「しつこい。もう話しかけないで」
わたしの顔がよっぽど
ホッとしてトイレの後ろに回り込んで近道すると、いきなりトイレから出てきた人にぶつかってしまう。
えっ、もふっとしてなんか
「コ、コタツ? どうして?
目の前にいるのは、
「
そしてわたしの
「え…。もしかして
やばい。すっかりハメられていたみたい。
「子供のくせにおれを出し
「クロツキだって大人じゃないし!」
「だまれ。さあ、その
ワルネコ
わーん、
けれどアホタケが
中ではお
「お猫様を連れ出してどうするつもりだ!! やっぱりマンクス
「
目をギラギラさせ、鼻にシワを
「答えろ!」
シャーッ! っと
「フギャッ!」
しかし、わたしの
「
「コタツ…!?」
「何のつもりだコタツ!」
「オレがクロツキを
言いながらコタツはクロツキのしっぽをガシッとつかんで、ギューッと引っぱる。
「てんめぇぇ! おれのしっぽをわざと引っぱるとはいい
うわぁぁあ! ものすんごい
「コラ待て! どけコタツ!」
「コタツ選手、アックスボンバーからのネコキック! そして十字固めぇ!」
「このっ、
あぁ重たい! けど走れ、走るんだ
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