8 カフェ店員になっちゃった
あっという間に土日は
今日は
だってわたし一人がちゃんとやらなかったら、クラス全員に
クラス一
さらに「さっすが
「日本にいるのは大統領じゃなくて
「
どうせオーディションだって美雨が
そんなだから、今日はついにピアノ教室をサボってしまった。レッスンバッグを持って「いってきまーす」って家を出てきたから、ママは知らない。こんなの初めて。
帰ったら
レッスンバッグを持ったまま向かったのは、カフェ ロシアンブルー。
「店を手伝いたいだって? 家の手伝いもろくにしたことないくせに、どういう
ぴーんと白い
「そんなにわたし、なんにもできなさそうに見える?
「それくらいじゃ
「おねがい、カフェ
お
そうよ、今度はわたしの方が
「スパイ活動じゃないだろうな?」
ぎく!
「そっそんなわけないでしょ! いいいいいかげんマンクス
クロツキは平らになった目でじとーっとわたしを見ていたけど、【private】の部屋から黒いカフェエプロンを持ってきた。
「そこの席を
「は、はいっ!」
エプロンを
「あっ!」
歩くとトレイがゆれて、さっそく
もっと
「うぇ、うわわっ」
受け取ろうとしたわたしの手から
ガッシャァーーーン!!
「ごめんなさい…!」
「
クロツキは【private】の部屋からほうきとちりとりを持ってくると、
「
「はいっ」
いきなり
下を向いてごしごし
「痛ったぁ…」
しっかりした木のテーブル板を支える丈夫な黒いアイアンの脚だ。ブドウみたいな装飾がついててね、そこにゴチン。うえーん、なんでこんなとこにあるの!
「お客さんをお
次こそは
すると
「いらっしゃいませ」
そうだ! あいさつ!
「いっらっっっっしゃいませぇ」
うわ、なにこの
横目で見ると、クロツキのヒゲがプルプルしている。
メガネをかけたお
「あの人は二日に一回来る
「わかった」
小さなコップに水を入れて、木のトレイでこぼさないように
「こんにちはぁ…、今日は、何に、えっと、されあれ、何だっけ…どれにしますか」
ちがう。こんな言い方するお店の人いないよね。すると女の人はメガネの下からジロッとこっちを見た。
はぅ! やばっ!
「スイーツセット、ホットのミルクティー」
女の人はそれだけ言うと、また本に目を
「わ、わかりました!」
早足で
「ちゃんとセリフ教えたのにな?」
「そんないきなり言われたって、
「で、
「覚えてるよ! スイーツセット、ホットのミルクティー」
「手伝うんなら
そう言って、クロツキはメモ用紙とボールペンをカウンターに置いた。これを使えってことだ。
お店の人には決まったセリフがある。レストランの店員さんを思い
言われなくても
クロツキが
その
あんなきれいに
「
クロツキがお
ふっくらしたぽっぺたとメガネがくっついて、にこにこしている。あれ、なんか最初とイメージちがうなぁ。スイーツの話から次はナナちゃんの話になって、楽しそうにしゃべってるし。ネコ好きな人なのかな。
ふとお
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
カウンターに
「もう一回セリフ教えてちょうだい!」
スパイをやるならその役になりきることって『
わたしだってぜったい一人前のカフェ店員になってみせるんだから!(そんでもってお
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