6 見つけた!
「………ネコだ」
クロツキたちと同じ二本足で歩くネコだ。
「ほ~う、やっぱり見えるのかい。クロツキやコタツでさえ
声はガラガラ声のおばあちゃんだけど、ヒョウみたいな
メガネをずらしてみると、顔はしわしわのおばあちゃん。でも長ぁーい
「その
「
このおばあちゃん、
「あの、
「いかにもあたしが魔女さ。クロツキはお前のことをあたしにかくしておくつもりみたいだったが、コタツが知ってたら
だよねー。
「なのにわざわざ自分から
とりひき? ロンドンってイギリスの
「あ、あの、とりひきって何ですか? クロツキやコタツに
「ぬぁんだってぇ?」
「その、もし悪いことさせてるならやめてほしいなぁって…」
「どうしてアンタがそんなこと気にするね?」
「………しっぽがあるから」
「っはぁ?」
「しっぽがあって全身モフモフなのに悪いことは
魔女ネコはヒョウ
「ヒャーッハッハッハアァッ! しっぽねぇ! おまえ、あいつらの
「お、思いません」
「ほ〜う? ネコがしゃべってるのに?」
「ネコは本当はしゃべれます! うちで
ネコのシナモンは、わたしが産まれた時から一緒に暮らしてきた家族だった。クラスでわけもなく
「んんん? ネコが友だちかい。ヒャーッハッハッハッハァ! そんなに言うならおまえをネコにしてやりたくなるね」
「ネコになる!? いやです!」
「どうしてだい? 学校なんか行かなくていいし、友だち
それを聞いて、正直ちょっと良いかもって思ってしまった。だってネコなら目が
「今、ネコになりたいと思ったね?
「え…」
「ただし人間の言葉はもう二度としゃべれないけどね。失うのはそれだけさ」
「それだけのわけないじゃん! わたしがいなくなったらパパもママもさくらも
「いーや、あたしゃ決めたよ。おまえをネコに
どうしよう!? ネコにされちゃうよ!
わたしは
「クロツキとコタツを人間にしてやったのはあたしさ。その
言いながら
「じゃっ、じゃあわたしとも”とりひき”してよ!」
「ぬぁんだって? どんくさなお前が、人間のままじゃあたしの役になんか立ちっこないだろうよ」
「お
「あぁん? 家の手伝いもろくにしたことがないウスノロマのくせにどの口が言うんだい。それより今、何でもするって言ったね? それじゃあ、あの店の三毛ネコをここに
「三毛ネコ?
「あの店のと言っただろう。
「え、あの店にいるのはロシアンブルーのナナちゃんで…」
「あーもう時間だ、ロンドンが始まっちまう。ホレ帰った帰った!」
「えっ、えっ、えええっ!?」
見えない風のようなものに押されて、今度はすんなり開いたドアから外に追い出された。後ろでガチャンとカギがかかる。
「なんなの!? ネコにしてやるとか三毛ネコとかロンドンとか、言いたいことだけ勝手に言ってとりひきしてやるって! こっちの話は一つも聞かないで!」
「とりあえずあの二人が本当のワルじゃないのは分かったけど、どうして人間になったんだろう」
人間にしてやったと
でも一人で考えたってわかりっこない。
「それに三毛ネコなんてあのお店にはいないと思うんだけどなぁ」
次の日、木曜日の学校帰り、さくらとバイバイした後に考えながら歩いていると、坂の上公園の近くで
「初めてだねー! どこの子?」
きれいなネコで青い
すると
知らなかったなぁこんな道。って
「引っかかりやがったな」
「え?
気づいた時にはもう
「ちょっちょっ、学校帰りにより道なんかしたら
「だまれ」
またも”らちかんきん”だよこれ! カフェの中ではコタツが
クロツキはフッサフサのしっぽをブンブン左右に
「で?
「いでぇ!」
クロツキの
「しかもまた勝手に
「の、飲んでないって!」
空の牛乳パックを
「バレバレなんだよ!」
もう一度ネコパンチをお
「ちょっとちょっと、ケンカはやめな…」
「うるさい! こいつがベラベラしゃべったおかげで、魔女様の
「だからぁ、わたしは他の人には言わな———」
「人間なんて信じられるか!!」
あまりに
「いつも
クロツキの全身は
どうしちゃったの…? 一体なにがあったの?
わたしもコタツもなにも言えず、動けなかった。
するとその時、
前足を前に出して、うーんと
「あ、あれっ! 置物じゃなかったの?」
ずーっと動かないんだもん。てっきりリアルな置物だと思っていた。
「バカ! お
「おねこさま? ずいぶんえらそうな名前だね?」
お猫様から
「えらいに決まってる。お猫様はおれたちの命の
正しくは”恩人”じゃなくて”
でも見つけたよ、三毛ネコ!
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