5 ネコ屋敷は魔女屋敷?
「ただいまー」
家で夕飯を食べていると、パパが帰ってきた。いつもは九時をすぎるのに今夜は早い。
「お、おかえりぃ…」
ハンバーグを口に
クロツキの話だと、どうやらマンクス
そこでわたしにまた
「おっ、ハンバーグとシチューだ。イェーイ! いっただきまーす」
そう思っていると、パパの方から話しかけてきた。
「学校はどうだった? 給食は全部食べた?」
もう
「パパの仕事もふつうだったぞ。でも今日もママの
「そうだ、昨日さくらちゃんのお母さんがネコを
「ほんと?
ネコがほしいって、まさかまさかわたしの
今まで
「ママ、スッキライザーZは飲んでるか?」
「ええ。きっかり起きられるし、
スッキライザーZは、マンクス
「
「そうね」
なにか聞き出さなきゃと思うけれど、
水曜日は雨。クラブの日だからクラリネットを
帰り道、坂の上公園をつっきりながら、ふと思いついて家じゃない方向へ足を向けた。うっそうとした深緑色の木に
ここは、ネコ
そうだ! そのおばあさん、チラっと見た人の話によると、まっ白のボサボサ
あ~っ、どうして今まで
お
だめだ、ぜんぜん見えないし、雨だから庭に
あきらめて帰ろうとした時、大きな門の横にある小さな
「コタツ!」
「お、
雨の中、緑色のキャップをぬらしながら二本足の黒ネコが小走りによって来る。
「ちょっとだけだもん。でもどうしてうちがこっちじゃないって分かったの?」
「へへ、オレは
「ふぅ~ん。ねえ、
「え!? ま、
「ここはネコ
「ちちちちちがうって! ただのキャットフードだよ。魔女様は
「やっぱりそうなんだ。ねえ、魔女との”とりひき”って何?」
「言わねえよ! もうオレは何もしゃべらないからな! クロツキにネコパンチされる!」
じりじりと後ずさりしていくコタツ。でも
「コタツって、雨の日も
「う、そ、そうか? えらいか? ぬれるのはがまんだ。でも寒いのはがまんできない」
そう言って、まだ十月になったばかりなのに冬物の
「
「すごい? すごいかな? えへへへへへ。
ダッシュで走っていくコタツ。
やっぱり令和の魔女にまちがいない。お
すると、コタツがさっき出てきた
『
クロツキの声が頭をよぎるけど、それよりもわたしは令和の魔女を見てみたいという
庭は
やっと玄関までたどり着くと、今度はガチャンと大きな音を立て、
「失礼しま…す」
建物内に
「よくここまで来たもんだ。さあ、どうしてくれようねぇ?」
声だけが
「わ、わたしはマンクス
「当ったり前だよ。だぁれがお前みたいな見るからにどんくさな子をスパイにするね? それより、あたしの
会ったこともない
「あのっ! 体育の
「もういるよ」
え、どこ? どこ?
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