3 ワルネコの”とりひき”
「おれたちのひみつを知るスパイがいるなんて
「だからスパイじゃないし! それに
どこのだれかも知らない魔女の話をいきなりされても、
「魔女ってどこにいるの? だれなのよ?」
すると、今までワルネコ顔していたのに口をつぐんで、フサフサしっぽがキューっとしぼんで
なに、なに…? そんなにヤバいの?
「とっ、とにかくわたし、暗くなる前に帰らないとママに
「家に帰りたいなら
目つきはワルいけど、さっきよりずっと小さな声のクロツキ。
「わかった。けどあなたたちみたいなワルにはならないからね!」
どんな
「明日、太陽をたっぷり
ネコを連れてこい…? 一体なんで??
?マークが消えないまま、やっと家に着いたころにはもう暗くなっていた。
「ただいまぁ…」
「おかえり。
リビングダイニングに入ると、ママが夕飯を作りながらスマホを見せてきた。
「ねえ、このネコちゃん見て。さくらちゃんのお母さんが
ネコ!? もうネコは十分なんですけど!?
思わずビクッとしてしまったけど、画面に
保護ネコというのは、
わたしのママは100
その夜はなんだかぼうっとして、夕飯になにを食べたのかも思い出せない。ベッドに入ってもまだ気持ちがフワフワしていた。
火曜日、学校には行きたくないけど、”とりひき”のために、ネコを
しかもサイアクなことに、今日は
男子よりも足が
五段で
わたし、いつも大事なところでミスっちゃうんだ。テストもそうだし、ピアノやクラリネットの演奏でも、これから一番
あーあ。
テストの後、くもり空みたいな気持ちでかたづけていたら、
「
「元気出しなよ。跳び箱がうまくいかなくても、
「そうかな…」
ピアノは
「中学校はどこにするの? クラリネットは続けるんだよな?
「うん、そのつもり。慶太君は
慶太君のお父さんはお医者さん。だから中学校からは医者になるための勉強を
「永山だってピアノの
「う、うん…」
やめようと思ってることはまだだれにも話していない。
「永山は音楽の先生が
そう、慶太君の言う通りで、
ちゃんと
「神様さくら様っ! おねがいだからちょっとだけネコ
「なに? どうしたのいきなり?」
「あのね、昨日ピアノ教室の帰りにネコがいるカフェを見つけたの。より道したからママにはひみつにしてね。それで、そこのネコと
するとその顔がぱあっと明るくなって「あたしも行きたーい!」と言い出した。
「えっ、いっしょに? あ、うん、ふつうそうだよね、ネコだけ
一人で来いとはクロツキからも言われてないし、きっとだいじょうぶ。
帰るなりランドセルを置いて、またすぐ家を
さくらの家までは歩いて十分。カフェとは
「この子は
ぼーっと眠たそうな顔でおすわりしているコチョ君。
「今日も一日、
わたしは心の中でガッツポーズした。まちがいなく『太陽をたっぷり
さくらがコチョ君を
「そのカフェにいるのはどんなネコなの?」
「え? えええっとねぇ、
「男の子? 女の子? どんな
「男だけど…。性格は、お、おこりんぼかなちょっと。でもコチョなら
太陽をたっぷり浴びたネコを連れてこさせて、クロツキが一体なにをするつもりなのか、そういえば知らなかった。
まさかひどいことしないよね…?
少し
「うわぁぁ、オシャレなお店! よくこんなところ一人で入れたね?
正しくは入れたんじゃなくて、ムリヤリ”らちかんきん”されたんだけどね。しかも黒ネコに。
「いらっしゃい、凛花ちゃん。友だちを
わたしたちがモタモタしていると、店の中から二本足で歩く
「かっ、かっこいい…」
となりでさくらが
店の中には他にお客さんはいない。全部で五つあるテーブル席のうち、わたしたちは
「お友だちもかわいいけど、ネコ君もかわいいね。名前は?」
「
「二人ともよろしくね。さ、すわって。なににしようか?」
そう言いながら、さくらのひざに
「えっと、ミミミルクティーでおねがいしますっ!」
「オッケー。ミルクと
言いながらまたニコッと笑う。
「は、はひっ!」
さくらの顔がまっ赤になって、またカチンコチンに。
「
さくらに
な・に・が凛花ちゃんよ!
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