2 カフェ店長はネコ(ワル)
「かくしてもムダだ。おまえがここを
ネコがさっきの男の人の声でしゃべってる。
メガネを下にずらして
顔のまわりは白っぽくて、毛先の方に
「さあ、洗いざらいしゃべってもらおうか」
そう言ってニイッとキバを見せると、ものすごいワルそうな顔になる。でも手には灰色の
「あーっ! これじゃネコのカフェじゃなくて、ネコがやってるカフェじゃん!」
わたしが言うと、ネコはぎょっとした顔に全身でビクッ! としてノートを落とした。
「な、あなななななにを言い出すんだいきなり。ネコならいるぞ、ほらあそこに」
指じゃなくて
「こっちは黒ネコさんだぁ! 黒ネコさんは
わたしをつかまえた大きな
「ねえねえ、ネコなのにトラックを運転できるの? すごいねー!」
「すごい? そ、そうかな。そうかなぁ~。って、オレたちは人間だ!」
「うそつき!
「そ、そうかぁ~? ミステリアスでかっこいいかぁ~。エヘへへ」
かっこいいは言ってないけど、黒ネコはうれしそうに金色の目を細めて、ニャーの形の口で笑った。しかしその
「おまえ…、おれたちの
目が合うともう一度、
「しかもわたし分かっちゃった! ネコはミルクが好きだから、このお店ミルクティーばっかりなんでしょ!」
どう? この
「
「とりひき? なにそれ?」
「教えるわけないだろ! オレがなにを
「コタツ! よけいなことを言うな。おまえは
ふーん、黒ネコさんはコタツっていうんだ。ネ~コはコタツで丸くなるってね。あ、よく見ると
「いいか。ここがどんな店なのか、よーく教えてやるから
バリバリバリバリバリバリ。
そう言って
…ぜんぜん
「クロツキそれ、これから
「なに? それを先に言え」
「さあ、まずは名前から
クロツキがわたしの
「
「おまえの
「だから、たまたま通りかかったら見たことないお店があったから、なんだろうと思ってメニューを見てたの!」
「おれが
ツメがもっと食いこんでくる。
「
わたしがさけぶと、後ろのコタツがちょっとあせった
「お、おい! それ以上はやめろよクロツキ! まだこの子がスパイだと決まったわけじゃ…」
スパイ? さっきも言ってたっけ。うんうん、わたしがスパイなわけないじゃない。
スパイっていったら、
わたしとさくらがハマってるマンガ『
レンもかっこいいんだけど、
「うるさい! いいからおまえは早く
ぴしゃりと言われたコタツが、ゴクッと
この
そうよ! それがバレると
コタツはダンボールを
「わ、わたしだれにも言わないし。本当よ、信じて」
「人間の言うことなんか信じられるもんか」
そう言いながらも、クロツキは
しかし
やばっ! 顔を引っかかれる…!
首をすくめて目をつぶると、痛い
「は………」
おそるおそる目を開けると、青い目のすっごくきれいな男の人の顔がある。近い、顔が近いよ…!
急にドキドキしてしまう。だって、同じクラスの
けれどクロツキが見つめているのは……ううん、くんくん
「ふん、ただのメガネだな。何の
ネコみたいに鼻の穴をふくらませてもかっこいいなんて、なんかくやしいぞ。
「あたり前でしょ、返してよ! これじゃなんにも見えないじゃない」
ていうかわたしのドキドキも返してほしい! メガネをわたされるとしっかりかけた。
またネコの顔に戻ったクロツキがニイィと笑う。目の細め方といいキバの見せ方といい、本当に
「おまえは、おれたちが本当はネコだと知ってしまった。これが
「
「スパイが
「スパイじゃないしボスなんていないし。魔女がいるなら会ってみたいけど、でも一番怖いのはわたしのママなんだから」
あ、でも
「ママがボスか。さてはおれたちの『ひだまりのビー玉』を子どもに
えーっと…、
「その
クロツキはちょっとだけ顔をそむけた。ネコなのにまるで
「
しかしすぐに頭をプルプルする。
「……じゃなくて!
一生しゃべれなくなる…? まさかまさか、本当に
けれどニイィと笑うキバには、どこかゾクっとさせられた。
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