第35話 said:勇者パーティー

 希少な属性適正を授かった者や孤児を教会が引き取り、魔法や剣術などを学ばせることによって教会の戦力を増やすと共に、魔王を討伐するための優秀な人物を生み出すことが目的だ。


「んで?これからどうするよ。」


 この言葉が粗野な人物が勇者。光り輝く聖剣を装備しており、白を基調とした服をまとっている。なお、教会では基本的に名前で呼ばず番号やその者の職業で呼んでいる。勇者は孤児だったために名前は与えられていない。


「そうねぇ…魔力遮断結界も張れたし監視は大丈夫でしょうね。物理的な監視は私とクロちゃんじゃ、どうしようもないけどね。」


 この女性は魔女。ロングスタッフといかにも魔女らしいとんがり帽子と黒の服を着ている。彼女も孤児で勇者より先に教会にいた。年齢は秘密だそうだ。


「つってもよー。どうせあのジジイどもだしうちらの報告を信じてくれるっしょ。というか、メンドーだし逃げてもいいんじゃねーかな?」


 彼女はメル。光の適性が高かったために協会に引き取られた。さらに、天性の野性的な勘も相まって剣術がうまく、聖騎士になった。


「それでも、ある程度の事実や根拠は作っておかねば面倒くさいことになりかねんぞ。」


 そんな小言を投げかけてくるのは女剣豪のホノカ。彼女は、この国より東にある小さい島国からの漂流者だったらしく、協会に引き取られた。


「……あっちのお偉いさんと口裏合わせでもする?」


 と、小声で提案するのは聖女クロ。


「あー。ありかもなぁ。邪魔じゃなさそうな所の地面に穴ぼこ開けまくればよさそうか?」


「そうねぇ。私の魔法なら簡単にできるわね。」


「ジジイどものせいで町の経済とかも止まっちゃってるらしいしな。何か手伝えるやつとかねぇーかな?」


 と、勇者の言葉に魔女とメルが続く。


「あのジジイ共のことだし、宣戦布告くらいはしてそーだな。あっちのお偉いさんと話す前にこっちが攻撃されそうだよな。魔女ー。【使い魔】で手紙を送ることは可能か?」


「えぇ。可能よ。」


「そうだなぁ。すまんが、クロ。こっちの使者として単身行ってくれるか?俺らだと攻撃手段が豊富すぎて警戒されて断られる可能性があるかもしれん。」


「ん。わかった。」


「じゃあ、そんな感じで手紙送るわねー。」


「あぁ、頼む。クロ、何か必要そうなもんはあるか?」


「特に……ない。」


「わかった。じゃあ、クロは先行して街に行ってくれ。ついて、あちらさんが話してくれそうだったら通信魔法を頼む。無理だったらそのまま後退して戻ってこい。俺らは、町の少し手前で待機するか。」


 と、パーティーの予定は決まった。魔女が【使い魔】を遣わし、パーティーは街のほうに進んでいった。



=====

一話500文字もいかない「転生特典の強いスキルはいらないので感情抑制だけしてください」やほかの作品も読んでくれると嬉しいです。(土下座) By,ウナギ

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女性限定で真価を発揮する支援職は今日も無自覚で無双する。 そこらにいるウナギ @rein04

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