第34話 出発準備と勇者達の様子

「あ、ファルちゃんじゃん。あまねちゃんは領主様のところに行っていないよ。」


 サンゴさんの感じを見ると知り合いっぽいしいつも来ている人なのかな?


「そうなんですか。すぐ帰ってきますか?」


「どうだろうね。まってたら?」


「そうですね。お言葉に甘えて待っています。ところであの人たちは?」


 少女は黒を基調としたひらひらしたドレスみたいな服を身にまとっていた。一番目に付くのは頭の耳だ。うさぎ耳がついていた。


「ん?レインさん達のこと?この街に物資を届けてくれて、ここで荷物がまとまるまで待ってるんだって。」


「そうなんですね。ちなみに、フェルスさんっていますか?」


「多分墓にいると思うよ。」


「ありがとうございます。少し行ってきますね。」


 少女はフェルスさんに用があったようだ。んー…なんかあまねさんに似ている気がするけど…まぁ、いいか。


「とりあえず、荷物を受け取ってから戻ろうか。」


「そうですね。それが一番無難な事だと思います。」


「そういえば、売店で……」


 とまぁ、雑談をしながらこれからの話をしていると。


「ただいまー。」


 と、あまねさんが戻ってきた。


「あ、おかえりなさい。あまねさん。」


「あ、レインさん。領主さんから、荷物の準備ができたそうです。」


「あ、ありがとうございます。」


「いえいえ。こちらもご協力していただきありがとうございました。荷物は門に準備してあるそうです。」


「ありがとうございます。では、僕たちはこれで。」


「はい。また、いらしてくださいね。」


 そうして、僕たちは少し片づけや準備を整えてから門に向かった。


 side:勇者パーティー


「はー……かったりぃ…」


 そんな言葉を勇者はこぼした。


「そのことは同意だが…司教の言うことは完遂しなければならない。どれだけくだらない事だろうがな。」


 女剣豪はそこに同意する。


「まぁ、あのくそジジイどもはどうせ偽の報告するだけで済むだろうよ。あっちの温泉に入れるかなー?」


 女聖騎士も同意する。


「とりあえず、私の魔法でここの魔力場を乱して、映像魔法を妨害しちゃう?」


 魔女も乗り気。


「いいと思うよ…あと、あの人たちの回線は解析できてるから私が結界魔法も使えば完璧だと思うよ。」


 聖女も提案する。


「そうすっか……頼めるか?」


「りょうかーい。」「うん…」


 と、二人で魔法結界の準備を始めた。その様子を眺めながら。


「ほんと…くだらねぇな。あのくそジジイ共は。」


 勇者はため息をついた。

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