あとがき
何でも屋ジャック~宇宙海賊王の秘宝~をお読みいただき、ありがとうございました。
本作品は肥前文俊先生が企画された「書き出し祭」に出品したもので、特に四十代以上をターゲットに昭和の香りがするスペースオペラを目指して書いてみたものです。
クリフエッジシリーズの世界観を使っていますが、元々考えていたもので、人類が最も栄えた時代、そして、最も活気が溢れた場所を舞台にしています。
イメージとしてはアメリカの西部開拓時代。ゴールドラッシュに沸く西部に一攫千金を狙う山師たち。悪人も善人もバイタリティ溢れるって感じで書いてみました。
今までの私の作品とは少し毛色が異なり、書いている方も楽しく書けました。
不満な点はもう少し銃撃戦を入れてもよかったかなというところと、ジャックとドリーの会話が多い割に、シェリーを始め、女性たちがあまり描けていないことですね。
この反省をどこかに生かしたいところですが、今のところ続編は考えておりません(笑)。
既にお分かりだと思いますが、本作品に出てきた名前は酒の名前がほとんどです。
主人公だけは少し違います。
ジャック・トレードは英語の“何でも屋”、“Jack of all trades”が由来です。ジャック・ダニエル、特にジェントルマン・ジャックをイメージしているところもあるので、あながち違うとは言い切れませんが。
今回のキャラの中でお気に入りは宿敵ソール・クバーノです。
名前の由来はカクテルの“ソルクバーノ”です。ソルクバーノは神戸の老舗バー、サヴォイの名物カクテルでラムベースのすっきりとしたトロピカルカクテルです。作り方もビルド(グラスに直接入れ、シェイクなどをしない)であり、お手軽なカクテルで昔は自分でも良く作っていました。
美味しくて飲みやすいのですが、オリジナルレシピというか、サヴォイで飲む場合はラムが百cc近く入っており、二杯飲むと結構ヤバいカクテルです(七杯頼んだらボトルが空になったという逸話あり)。普通のお店で飲むと六十ccほどなので多分そこまできつくないと思いますが(笑)。
この作りやすくて飲みやすくてヤバいカクテルというイメージでソール・クバーノは生まれました。
他にもマフィアのボス、ロナルド・リコはラムのロン・リコが由来で、普通のロン・リコはそれほどきつくもなく美味しいのですが、プルーフ151という75.5度のものもあり、豹変するという意味で名付けています。
他にもまだいろいろと考えながら名前を付けていますが、こんなことを想像しながら読んで頂ければまた違った感じで面白いのではないかと。
相変わらずお酒の話で終わった気がしますが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
何でも屋ジャック~宇宙海賊王の秘宝~ 愛山雄町 @aiyama
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