第23話 我が光を示される汝に栄光あれ⑩
いや、展開していなければ、とっくの昔に天体の衝突熱に焼かれ、衝突衝撃による地殻変動で超巨大地震の数十倍のエネルギーを受けていたはずだ。王城敷地内に位置する中庭の揺れは、そういう意味では予想よりはるかに小さかった。
ディム・トゥーラは王城や聖堂の建築物が
裂けた大樹は枝や葉を大量に散らしている。根元から倒れていないことが幸いだったが、はるか大樹の頂点から落ちてくる枝は十分な凶器だった。
さらに精霊樹の木片や
「カイルっ!!アードゥル!」
問題はその放熱エネルギーと衝撃波が、アードゥルの張った多重の
カイルの地下まで
それがなければ、おそらく地割れと地面の
ディム・トゥーラは、カイルへの
ディム・トゥーラは覚悟をきめた。
いいだろう。
ディム・トゥーラ自身はカイル達の
「お前は脱出しろ。俺につきあうことはない」
白い虎は、即座に首を振った。
言葉はないが、共にいると強く主張された気がした。ディム・トゥーラは同じ茶色の瞳を持つウールヴェをじっと見つめた。
「俺は死んだらクローン再生されて
帰る――無意識にでた言葉だった。
白い虎は、またもや首を振った。
「ゆっくりと名付ける時間がなくてすまなかった。お前はいい相棒だった」
王都全体を覆う
ディム・トゥーラは上空を見上げ、
何か音を聞いたような気がした。
ディム・トゥーラは目を
水?
王都の
急激に発生した熱が地上の空気を高速に押しあげ、秒速で高所で凝結した対流雲をつくり、その結果として巨大な積乱雲を広範囲にを生み出したはずだった。
ディム・トゥーラは悟った。それは、やがて飽和状態になり水滴が落ちてくる――つまりは雨だ。
上空から
なんだ、この雨は――。
地上の大爆発が原因とはいえ、この金色の雨は本当に自然現象なのか?
ディム・トゥーラは愕然とした。
当然、
雨が焼けた大地と空気を冷やす効果を生み出していた。赤黒い煙は消え、水蒸気が
ありえない。
大地を焼いた膨大な熱エネルギーは、雨ごときで中和はできない。
ディム・トゥーラは、はっとして中庭に視線を戻した。
精霊樹の
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